婚約破棄 20日目。 ページ22
Aside
___次の日。
柚「そういうことがあったんだ…。」
私は柚のリムジンに乗り、一緒に登校していた。
結果を朝一番に聞きたい!という柚の希望だ。
この車内は他の人に聞かれる心配が無いため、話すには最適な場所だった。
「"最初からもう一度始める"なんて、二人とも思い切った決断したね。
でも、それでこそ二人だよね。
普通の令嬢とかには辿り着けない何かを、考えて実行するところ。」
楽しそうに笑う柚とは反対に、私は内心焦っていた。
『そ、そんなに特殊、かな?私達。』
「少なくとも、私達はそんなこと思いつかないよ。」
運転手「お嬢様、A様、到着いたしました。」
「はーい」
『送って頂き、ありがとうございました。』
運転手「とんでもございません。
お気をつけて。」
私と柚は昇降口に向かって歩く。
「A、前よりいい表情になった。」
『え、』
「私、
今の方が、何万倍もマシ。
…また相談したくなったら、言って。
いつでも聞くから。」
『……うん、ありがとう。』
_____
___________
教室の開いている窓から、玲王の登校の様子を柚と見ていた。
何度見ようが相変わらずの人気っぷり。
なんならファンが少し増えた気がする。
「A、今は御影のこと、どう思ってるの?」
私の方は見ずに、小さい声で私に問う。
『……幸せになって欲しいと思ってる。
結果として私は隣にいれなくてもいい。
どんな未来が待っていようと、玲王が幸せならいいの。
…最近そう思うようになったんだ。』
これは、私の決意だ。
「…A、それって……」
クラスメイト「柚ー、一ノ瀬くんが呼んでる」
一ノ瀬くんは、柚の婚約者だ。
「分かったーありがとう。
ごめんA、少し行ってくる。」
『うん。』
柚は一ノ瀬くんのもとへ行った。
話をする二人の横顔はどちらも幸せそうに笑っていた。
((……いつか私もあの二人みたいに幸せになれたら、なんて思ってたけど。
今は"二人"でなんて望まない。
玲王が幸せならそれでいい。))
ふわりと吹いた風とともに玲王を見れば、友達と一緒に笑っていた。
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柚の婚約者。
一ノ瀬家の御曹司。
玲王・凪と同じクラス。
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ゆりと白鳥(プロフ) - 咲夜さん、コメントありがとうございます!どうかこの作品を最後まで見守っていただけたら嬉しいです! (7月17日 20時) (レス) id: 828f7fac15 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜(さくや)(プロフ) - 続き楽しみにしています。 (7月16日 20時) (レス) id: f2b60f62ba (このIDを非表示/違反報告)
ゆりと白鳥(プロフ) - 桜木清次さん、コメントありがとうございます!そしてあたたかいお言葉嬉しいです!どうかこれからもこの作品をよろしくお願い致します! (5月18日 8時) (レス) id: 828f7fac15 (このIDを非表示/違反報告)
桜木清次 - コメント失礼します!この作品とても好きです!!続きが気になりますが、無理のないペースで頑張って下さい! (2023年4月6日 20時) (レス) @page14 id: f838235576 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりと白鳥(プロフ) - かいさん、コメントありがとうございます!!終わった時も好きな作品だった、と言っていただけるよう頑張ります!これからもこの作品をよろしくお願い致します! (2023年3月15日 21時) (レス) id: 828f7fac15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆりと白鳥 | 作成日時:2023年3月7日 12時