婚約破棄 16日目。 ページ18
Aside
"最初からもう一度始める"
これが私達の話し合いの結論だった。
母「…なるほど。お互いを見つめ直すという意味での、最初からということなのね。」
御影父「それは、婚約は続行ということでいいのか?」
玲王「それも2人で考えたのですが…」
私と玲王はお互いに目が合い、私は頷いた。
玲王も柔らかい微笑みを返してくれる。
玲王「パーティーなどのパートナーとしての機会だけ婚約者としての役目を果たし、
それ以外は友達、という関係になりたいと考えています。
世間的に俺たちが婚約を結んでいることはあまり広まってはいませんから、このような選択肢も可能だと思っています。」
私の両親も玲王の両親も、目を丸くしてとても驚いている。
婚約破棄か、続行か、そのハッキリとしたどちらかだと思っていたからなのだろう。
御影父「ふむ…。
Aさんも、これに賛成なのかい?」
A「はい。」
父「これに関しては、2人の意見を尊重したい。
だが、この選択によるメリット、デメリットは会社を背負う私達にも影響が及ぶ。
私達親同士も、話す必要があるかと。」
御影父「ああ、確かにそうだな。
我々は少しここに残ろう。」
母「それじゃあ、今日の21時までには結論を出し、2人に伝えます。2人は先に帰ってなさい。」
御影母「車は用意してあるわ。2人とも、気をつけて帰ってね。」
『「はい。」』
私と玲王は、このレストランの出口へと進んだ。
少し前を歩く玲王の背中を、目に焼き付けて。
数歩歩いたところで玲王がこちらに振り向く。
「…?どうした?俺、歩くの早かったか?」
『ううん、大丈夫。』
そう答えながら、何ともないように微笑む。
玲王とこんな風に歩くのも、今日が最後かもしれない。
1番玲王に近い存在は、きっと私じゃなくなる。
幼い頃から玲王と積み上げてきた関係が壊れて、全部新しくなる。
1番玲王の近くにいた
ただ私の好きな玲王の姿を、最後まで見つめていたかった。
今日の21時までの婚約者。
最後だから、とかで特別なことは望まない。
きっとこんな日常の方が、私の大切な思い出になる。
ありがとう、
どうか幸せに、
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ゆりと白鳥(プロフ) - 咲夜さん、コメントありがとうございます!どうかこの作品を最後まで見守っていただけたら嬉しいです! (7月17日 20時) (レス) id: 828f7fac15 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜(さくや)(プロフ) - 続き楽しみにしています。 (7月16日 20時) (レス) id: f2b60f62ba (このIDを非表示/違反報告)
ゆりと白鳥(プロフ) - 桜木清次さん、コメントありがとうございます!そしてあたたかいお言葉嬉しいです!どうかこれからもこの作品をよろしくお願い致します! (5月18日 8時) (レス) id: 828f7fac15 (このIDを非表示/違反報告)
桜木清次 - コメント失礼します!この作品とても好きです!!続きが気になりますが、無理のないペースで頑張って下さい! (2023年4月6日 20時) (レス) @page14 id: f838235576 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりと白鳥(プロフ) - かいさん、コメントありがとうございます!!終わった時も好きな作品だった、と言っていただけるよう頑張ります!これからもこの作品をよろしくお願い致します! (2023年3月15日 21時) (レス) id: 828f7fac15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆりと白鳥 | 作成日時:2023年3月7日 12時