私と、婚約破棄してください。【御影玲王】

婚約破棄 11日目。 ページ13

Asid




学校が終わり、されるがままにお化粧と髪の毛をセットしてもらって、会食用の洋服へと着替えた。







会食の場所は私の家と玲王の家からほぼ中間地点にある高級フレンチレストラン。








話し合いの為に今日急遽貸し切ったの、と微笑む母だが、当日貸切ができる程の両家の権力の強さを感じた。











目的地に向かう為家族でリムジンに乗り込み、予定通りに到着した頃には、御影家はもう着いていた。








両家の挨拶も程々にして、玲王のご両親が私の元へ来て謝罪の言葉を私が発言する間もなく言われ続けた。







玲王に婚約破棄を告げた事は、御影家にとっては本当に青ざめる出来事だったらしい。



婚約破棄を告げさせる程の事をしたであろう息子の事を必死に頭を下げて謝罪していた。









いえ、あの、お顔を上げてください、と必死に言うことしか出来なかった。









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レストランで料理を食べている時には、お互いの両親の話は盛り上がっていた。






元々家同士仲がいいというのもあるが、

母同士、父同士、どちらとも親友レベルにプライベートで仲がいい為、これは当然の空気だった。








それに対して私達は一言も話していなくて、黙々と料理を食べることしかしていない。


たまにお互い両親に話を振られて笑って答えるくらいだ。














話さないと、と思うけどどう声をかけたらいいのかが分からない。




それにプラスして、玲王も会食用の服装で少しだけ髪の毛がセットされている。



学校で見る玲王ではなく、いつもとは違った玲王にますます緊張が高まるばかりだった。













((こんな調子で私、玲王と話し合う、向き合うことできるのかな…。))




と心の中で溜息をつくばかりの時間になった。







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