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宮近「じゃあ、二幕の頭から、いこ。」
Sクラス近くの空き教室を使って、
二人で台本の読み合わせをする。
宮近「ここさ、」
っ、予想はしてたけど、きた…！
抱き合ったり、キスをしたりするという、
なんとも密着度高めのシーン。
私は意識してしまうのに、
ちゃかちゃんは平然と、私に近寄り、抱き寄せる。
「っ、///」
宮近「ここ、こうしてこうで、ってAちゃん
顔赤いけど、大丈夫、？」
「っ、ちゃかちゃんが、近いから、///」
宮近「っ、、、ご、ごめん、///」
我に返ったようにちゃかちゃんも顔を赤らめる。
っ、やっぱり恥ずかしいよね、こんなの、
「な、なんでこの役引き受けたの？」
宮近「なんでって、Aちゃん出るし…」
「い、いやいや、お仕事だってあるし、
現にこうやって稽古の時間とか、あるじゃん…
時間が割かれてしまうのに、なんで引き受けたんだろ、って
ずっと不思議に思ってて。」
宮近「Aちゃんと、でてくれませんか、って
打診があったからじゃない？
そこらへんの女の子とかと、だったらどうでもいいけど、
Aちゃんが相手だったら、そりゃあね。」
っ、やっぱり改めて見てもまつげが長くて、
色が白くてカッコいい…
宮近「っ、Aちゃん、？？
ちょ、ちょっと近いといいますか、見すぎ、といいますか、」
「あ、ご、ごめん、」
おかしい、なんでだろう。
前にパーティーでちゃかちゃんと踊ったときは、
全然なんとも思わなかったのに、
今回の劇では、なぜか意識してしまう…
宮近「と、とりあえず、読み合わせだけ、するか、！」
「そ、そうだね、！！」
なんだか気まずい空気が流れながら、
読み合わせをすることにした。
お互い、やっぱり気まずくて、
演劇部との稽古のときも、目を合わせられず、
キスシーンはおろか、抱き合うシーンも
稽古中では不格好な仕上がりになってしまった。
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作者名：不思議の国の姫乃 | 作成日時：2021年3月5日 22時
