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「結婚するところで私が家を継ぐのは同じ。

相手には相手の会社があるだろうし。

だけど、結婚、婚約をする前に自分の力を

出しておきたい。相手に伝えなきゃいけない。

私の存在意義を示さなければならないの。」









中村「だから、焦ってるのか…(ボソッ)

それは、誰に?未来の旦那に?

それとも…Aちゃんのお父さんに?」









「…さあ、どっちだろうね。

まあ、さすがに今になって実は他に子供がいましたとか、

後継者はこの人に決めるとか言われたら…やってられないけど、(笑)」









中村「もっと気持ちを言っても、いんじゃないの」









「気持ち??なんの(笑)」









中村「なんでもいんじゃない?

あー今日疲れたーとか、

なんでこんな忙しい時に演劇部の稽古あるんだーとか。」









「そんなの言えないよ(笑)

引き受けたのは私なんだから、

最後までちゃんと責任を持たないと。

それに、負担に思いながらやってることなんてなにもないよ。

今、私がやらなければならないことを、してるだけで。」









中村「……こんなに可愛いお顔に、隈ができるなんて…。

無理してる、証拠だよ??

毎日、ちゃんと寝てる??」









私の顔を両手で優しく包み込んでくれるうみくん。









「寝てる、寝てる、大丈夫(笑)」









寝れるときに、寝る。

私には時間がない。









中村「……ホントは、お前はいらないって、

言われたくないだけじゃないの?」









「っ、、

今日は、すごい核心めいたこと言うね、うみくん、」









中村「だって、もうみんな言ってるよ。

Aちゃんが無理してる、って。

せめて虎蛇祭の間だけでも、ちょっと休んだら、」









「あはは、無理だよ(笑)

休むなんて、そんな選択肢。

あいにく私には持ち合わせてないの。」









”キーンコーンカーンコーン”









休み時間になったのか。









「じゃあね、うみくん。

私はもう教室に戻る。」









少しでもお父様に認められなければ。

前のように親子の関係で、可愛がってもらえてる部分は

もう少ない。

今は、自分の力で掴みに行かなければ。









凛「あ、A。」









結月「あら。」









っ、ごめんね、

聞こえないフリをして、私は通り過ぎた。

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作者名:不思議の国の姫乃 | 作成日時:2021年3月5日 22時

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