#27 ページ27
動揺なんかしちゃいけない。
廉「俺と電話中Aが倒れた日ここで拾った」
「えっ！？」
気づけなかった…
紫「……」
紫耀からの冷たい視線を感じる…平静にならなきゃ
私は平静を装って言う
「そうなんだ。それ捨てとくから返して」
サッ
廉の前に手を出したら
サッ
「…え？なんで？」
廉はすぐさま私の手を下に下げて私にしか聞こえない声で言う
廉「最後くらい守らせてや」
そう言った廉の顔は何故か悲しそうだった
「…え？」
紫「チッ…」
奥から紫耀の舌打ちが聞こえた。足音でこっちに向かってきたのが分かる
サッ
紫耀は私と廉を引き離し廉を冷たい目で見て言う
紫「幼なじみ同士のお話は終わった？」
廉「お待たせしてすみません。続きしましょうか」
バッ
紫耀は私を引っ張って廉から離して言う
紫「さっさと終わらせて」
いつもと違う声色であの日夜中に見た紫耀を思い出して少し背中に悪寒が走った
そして廉はその薬の資料を私達に見せて言う。
廉「サクガンダ、ルクノールの副作用Aに当てはまりまくりじゃないですか？」
そこに書かれていたのは
急激な体重減少、頭痛が治まらない、倦怠感が続く
廉「A会社辞めてから１ヶ月で見て分かるほど痩せて働いてた頃も頭痛酷くて市販の頭痛役が効かないって言ってました。」
「……」
本当のことだから言い返せない…
紫「本当にAはあんたにそう言ったの？」
言ったけど…
私は言う
「言ってない」
紫耀は私に小さく頷き廉に向かって言う
紫「だって。あんたのただの勘違いだったみたいだね」
バンッ！
机を叩いて廉が言う
廉「…違う！毎日頭痛薬飲んでたしこないだだって…」
スタスタ…
紫耀が廉に近づいて耳元で言う
紫「残念だったね。幼なじみくん」
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作者名：のあ | 作成日時：2021年10月8日 18時
