31話 再会 ページ33
桃視点
さ「おい!そこの坊主!家へ入れ!」
気が付くと俺は叫んでいた。
なのに、腰を抜かしてるのか俺の方を見て動かない。
……仕方ない。
急いで靴を履き、家を飛び出す。
近くへ行くと、少年は小さく震えていた。
さ「大丈夫か?今から俺の家に行く。」
返事はない。
よっぽど弱ってるのか、怖いのか。
とりあえず少年を抱き上げ、家へ走る。
少年はすっかり濡れていて、身体が冷たくなっていた。
ガチャ
さ「着いたぞ。今暖房つけるからな。毛布にくるまってろ。」
そう言って毛布を渡す。
……?なんで受け取らないんだ?
少年は、小さく震えたまま動かない。
怖がってんのか弱ってんのか。
顔を覗き込む。
………!!
ころん…!
さ「ころん!俺だ!わかるか!?」
こ「ハアッハアッ…」
返事がない。顔も真っ白だ。
低体温…
さ「死ぬなよころん。今温めてやる。」
俺は、急いで暖房を付けストーブを取りに行こうとする。その時だった。
こ「ヒュッ、ハアッハァッ、ゲホゲホッゲホッ、ヒュッ、」
さ「なっ…吸入…」
早く温めないといけないのに…
そう思いながらも吸入器を当てて落ち着かせる。
さ「……大丈夫か?」
落ち着いたらしいころんは、ぐったりしていて元気がない。
急いで倉庫へ行き、ストーブを出す。
ついでにドライヤーで髪と服を乾かしながら、体温を測る。
さ「30.8℃…危ないな…」
体を触っても、中々温かくならない。
上着も着せ、暖房の温度を上げ、家中の物を使って温めるも、中々温まらない。
さ「ころん!聞こえるか!?聞こえたら俺の手を握ってくれ!」
こ「ハアッハアッ…」
だめだっ…
こうなったら…
俺は、倉庫に行き貼るカイロをあるだけ出し、貼れるだけ俺の体に貼り付けた。
そして、ころんの体にも貼り付け、思いっ切り抱きしめる。
さ「ころん!聞こえたら俺の手を握れ!」
熱くて汗が流れる。
でも、ころんのため。
俺はずっと抱きしめ続け、1時間が経とうとした時だった。
こ「ハアッ……ぅ…」ギュ
さ「ころん!?」
こ「さむ……」
さ「寒いな。服着替えれるか?」
コクリと頷く。反応がようやくあった。
念の為体温を測ると、33℃に上がっていた。
俺は、温かいコートに着替えさせると、温めたお茶を飲ませ、ベットに寝かした。
……でも何でここに…?
起きたら話を聞くか。
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流莎 - ガーターさん» 見に来ました!私も同じような作品書いてるなぁ。私の方にアドバイス的なのあったら、ください!(流莎で、検索かけると、出てくると思います。病系のやつ) (2022年7月5日 6時) (レス) id: d2c652474f (このIDを非表示/違反報告)
ガーター(プロフ) - ななてるさん» ?パスワード? (2021年12月17日 0時) (レス) id: 1c27778377 (このIDを非表示/違反報告)
ななてる - パスワード1個忘れたでも大丈夫!書いてない! (2021年12月13日 22時) (レス) @page28 id: e551669fd6 (このIDを非表示/違反報告)
ガーター(プロフ) - ななてるさん» 楽しかったですか!良かったですね!でも風邪には気をつけてくださいねw (2021年12月13日 1時) (レス) id: 1c27778377 (このIDを非表示/違反報告)
ななてる - ガーターさん» 楽しかった!でも疲れて風邪気味っす (2021年12月8日 15時) (レス) id: ff9a44ad6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ガーター | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/1346/
作成日時:2021年8月30日 2時