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本当に急な話で本当にビックリしてる、いま。

でも、そのことを聞いた瞬間思ったのは素直に “嬉しい” だった。


私の小さい時からの夢はかっこいいキャリアウーマンになること。

まだ今は小さい時に思い描いていた自分とはかけ離れてるかもしれない。

だけど、大学の時に頑張ってバイトして留学したのも、この会社に入りたいって思ったのも、いずれは海外で働ける人になりたいと思ってたから。


だからすぐに行きたいって返事は決まると思ってた。自分でも。

でも違った。
それは間違いなく今の生活に大切なものが沢山あるから。




たくさんの友達。

優しい先輩。

可愛い後輩ちゃん。

おっちゃんの焼き鳥。


そして、北山くん。



こんなに沢山のものを失うのが怖い。




『ずっと夢だったのになあ...』


一人になったミーティングルームに自分の呟きが小さく響く。


あーここでみんなに誕生日お祝いしてもらったなあとか、ミーティング中に部長が何気なく言った親父ギャグがすごい面白くてみんな爆笑してたなあとか、楽しい思い出ばかり思い出してしまう。


今のこの静かな部屋に取り残された状況が、海外へ行った時の私の心を予言しているみたいで怖くなる。


あれ、私の夢ってこんなにすぐ揺らいじゃうぐらい軽いものだったのかな。

そう思うと今までの自分を否定してるみたいで、悔しくて、


あーまた悩み事が増えちゃったな...

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作者名:ペコ | 作成日時:2017年8月4日 1時

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