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彼女と鏡と少女のその後 ページ43

――――冬

私はこの季節が嫌いだ

毎年この時季になると、雪が降って、
あの日のことを思い出すからだ


…でも、あの子は好きだったんでしょうね

なにせ自分の名前が冬のイメージに付き物の雪なのだから

私はあの子にとある怪談について相談され、結果的にあんな事になってしまった

今でも、後悔してる



だからかもしれない
毎年冬、あの時刻に雪を見ると、あの日のことが鮮明に思い浮かぶのは


最後に放った優希の言葉が頭に反響して離れないのは



『なんで助けてくれなかったの?』


その言葉は、

鎖のように、私の心を縛りつけ、

杭のように、私をあの日の記憶に打ちつけ、

楔のように、私をあの怪談と繋ぎ、









呪いのように、私を責め続けた


―――――――――――――――

きっと、私が優希のことを他の人と違ってきちんと覚えているのは
優希と一緒に黒猫に招かれたからだろう

なぜ、私まで招かれたのは解らない



ただ、、、あの日聞こえた啼き声

私はそれを別の所で聞くようになった

他に黒猫に招かれた者を目の前にすると聞こえるのだ

そして、その人物が招かれた怪談の知識が私の頭に浮かんでくる

しかもそれは、私がその人物に話した怪談だったりするのだ

私はその事を利用して『あの子』の怪談を話した事もあったが、
残念ながら話してもこの怪談にだけは招かれないようだった

だから私は別の怪談を誰かに話して、その誰かが黒猫に招かれるのを待った
黒猫やあるいは怪異と接触し、再びあの怪談と出逢う方法を見つけるために

だから、私が何もしていないのに玲が怪談に招かれたのは予想外だった




・・・・・

あれから月日が経ち、、

その方法を使い続けて来た私には、
もう解らなくなってきている





____優希を助けるために黒猫を呼ぶのか…


____あのとき以上の恐怖と狂気に満ちた怪異に逢いたいのか…


なぜそう思うのか、、、

それは他人が招かれた怪談に逢うと
たまらなく興奮するから

高揚に心が満たされた一瞬、本来の目的を見失ってしまうから


いいや、それでも大丈夫

何度も自分に言い聞かせて、平静を保つ











私は今日も語る

心が狂ったように怪異を求めながら

嘘か真実か解らない、密かに狂気を隠した"物語"を――――




「ねぇ。こんな話、知ってる?」

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設定タグ:黒猫 , オリジナル , ホラー   
作品ジャンル:ホラー, オリジナル作品
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寒極氷化(プロフ) - とらさん» いやぁ、CMみたいな猫だったら私は嬉しいですけどねww それに、ガン付けている黒猫も可愛い!!!! (2014年6月10日 17時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
とら - それでも黒猫のよく顔を見た人によれば「ガン付けてる」とのこと、確かにシャムとかよりもきつく見える、CMみたいな「鯛食べたい」との要求はないが(笑) (2014年6月9日 20時) (携帯から) (レス) id: 76e6498593 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - とらさん» それはすごく羨ましいしですね! 私なんか、何回逃げられたことか…(T_T) (2014年6月9日 18時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
とら - 確かに黒猫の不吉な噂は聞きますが自分にしてはその辺にいるただの猫ですね、黒猫に何回絡まれてきたのやら (2014年6月7日 20時) (携帯から) (レス) id: 76e6498593 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - アリスさん» ホントですかっ 自分ではどうもそう思えないので、そう言ってもらえるのは嬉しいです (2014年6月2日 17時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:寒極 氷化 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kangoku/  
作成日時:2013年11月10日 0時

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