彼女と鏡の話−１３ ページ40
朝
私と優希はいつも通りの時刻に学校に着いた
休んだ事を心配していたクラスメイトが優希に声をかける
「うん、大丈夫だよ」
「もう元気だから」
そんな言葉をクラスメイトに返す優希は
表向きは言葉通り元気そうに見えた
事情を知っているこっちとしては無理しているようにしか見えないが
昇降口の鏡も廊下の鏡にもなぜかあの子は現れる事はなく、
優希はいつもの調子を取り戻していっていた
「このまま何も起こらず過ぎ去ってしまえばいいのに」
「…そうね…」
どこかで違和感を感じつつ、私は優希の言葉に同意する
そして、、、
放課後
私と優希は階段を下りていた
後から思えばこの時の私達は油断していたと思う
鏡の前、優希の体が少し強張った
今日の今まではこれだけで、何も起こらずにすんだ
…だが、
優希が不自然に固まった
その顔が徐々に恐怖に染められていく
まさか！
目線を鏡の方へ移すと、
…暗い光のある目と引きつったような笑みをした『あの子』がいた
「っ！ 優希！！」
呼ぶ。でも優希の瞳は鏡に釘付けになったままだ
強引に離そうと、優希に手を伸ばした
が、私の手は優希に触れることは無く
唐突に力が抜けて私の意思とは無関係に腕が下ろされる
なんで…？
思考と体が一致しない、ちぐはぐな感じに戸惑う
見ると、下ろした手がほんの少し震えていた
その瞬間、自分が恐怖を感じている事に気づく
それは瞬く間に全体に広がり、
思考しても行動しても、その感情のせいで空廻りしてしまう
誰かっ…！
と思うものの、ここには誰もいない
私と優希しかいない
下校時なのに、誰もこの階段を使う生徒がいない
その時点で異常なのに、私も優希もその事に気がつかない
ただ、私達の意識は不気味に嗤う『あの子』にだけ向けられた
あの子が告げる
私達を真っすぐ見つめて
『この時を待ってたよ』と＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 26人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
寒極氷化(プロフ) - とらさん» いやぁ、ＣＭみたいな猫だったら私は嬉しいですけどねｗｗ それに、ガン付けている黒猫も可愛い！！！！ (2014年6月10日 17時) (
レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
とら - それでも黒猫のよく顔を見た人によれば｢ガン付けてる｣とのこと、確かにシャムとかよりもきつく見える、CMみたいな｢鯛食べたい｣との要求はないが(笑) (2014年6月9日 20時) (携帯から) (レス) id: 76e6498593 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - とらさん» それはすごく羨ましいしですね！ 私なんか、何回逃げられたことか…(T_T) (2014年6月9日 18時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
とら - 確かに黒猫の不吉な噂は聞きますが自分にしてはその辺にいるただの猫ですね、黒猫に何回絡まれてきたのやら (2014年6月7日 20時) (携帯から) (レス) id: 76e6498593 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - アリスさん» ホントですかっ 自分ではどうもそう思えないので、そう言ってもらえるのは嬉しいです (2014年6月2日 17時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：寒極 氷化 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kangoku/
作成日時：2013年11月10日 0時
