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彼女と鏡の話−9 ページ36

一瞬、何の音か解らなかった

「…これは、叫び声?」

叫びは下の階から聞こえている

階段へ向かおうとして、異変に気づく

今もなお聞こえているこの声になぜ、






誰も何もしない?

いや、叫び声に気づいていない?


つまり、私にしか聞こえていない?


私は今朝の痣を思い出した
私と優希にしか見えない痣…
私にしか聞こえない叫び…

痣がついていたのは優希

ではこの叫び声は?

自分が嫌な汗をかいていることに気づいた


「ぎゃぁああああああああああああああああああああああ」

この叫び声は、

「がぁぁああああああああああああああああああああああ」

まさか、

「優希の声…?」


気づいたら駆けだしていた

手遅れの事態になっているのでは…

もう優希は…

1階の廊下に優希の姿を見つけた

…最悪の事態にはなっていなかったようだ

彼女はうずくまり、叫んでいた

私は親友の名を呼ぶ

「優希!!」

叫び声が止んだ

「ぁ…結、衣…」

駆け寄った私を驚いたようにみる優希


「優希!あなたさっきまで叫んでたけど、何があったの!?
 っていうか、どうしてここにいるの?」
「え…」

私の問いに優希は首をかしげる

もしかして、、、

「優希、覚えてないの…?

 あなたは私が気がつかないうちにどっかに行ってたのよ
 私が探しているうちに叫び声が聞こえてきて、、、

 来てみれば、あなたがここにいたの」
「…結衣
 全然覚えてないよ…
 私どうかなっちゃたのかなぁ」

優希の目からぽろぽろと涙が零れた

「結衣、、、きっと私は

 あの子に連れて行かれちゃうよぉ」

優希の言葉に絶句する

そして、私はさらなる異常を見つける

「っ!」

彼女の首にうっすらと手形の痣がついていたのだ
まるで首を絞めるようだった

走って火照った体が急に冬の寒さを感じたように
体の熱が奪われていく

優希に不安を抱かせないように自分の感情を表にださないようにして
そして、彼女が落ち着くように背をさする

「大丈夫、大丈夫だから。私が何とかする」

彼女の横にある鏡を見る

ひどく、青ざめた私が映っていた

「あ…」

そしてその遥か後ろに『あの子』が立っていた

引きつったような笑みを深めて、
暗い瞳でこちらを見つめて、





手招きをしていた

こっちに早く来いと言っているみたいに

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設定タグ:黒猫 , オリジナル , ホラー   
作品ジャンル:ホラー, オリジナル作品
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寒極氷化(プロフ) - とらさん» いやぁ、CMみたいな猫だったら私は嬉しいですけどねww それに、ガン付けている黒猫も可愛い!!!! (2014年6月10日 17時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
とら - それでも黒猫のよく顔を見た人によれば「ガン付けてる」とのこと、確かにシャムとかよりもきつく見える、CMみたいな「鯛食べたい」との要求はないが(笑) (2014年6月9日 20時) (携帯から) (レス) id: 76e6498593 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - とらさん» それはすごく羨ましいしですね! 私なんか、何回逃げられたことか…(T_T) (2014年6月9日 18時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
とら - 確かに黒猫の不吉な噂は聞きますが自分にしてはその辺にいるただの猫ですね、黒猫に何回絡まれてきたのやら (2014年6月7日 20時) (携帯から) (レス) id: 76e6498593 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - アリスさん» ホントですかっ 自分ではどうもそう思えないので、そう言ってもらえるのは嬉しいです (2014年6月2日 17時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:寒極 氷化 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kangoku/  
作成日時:2013年11月10日 0時

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