黒猫が横切って啼いた。

少女ともう1人の話−３ ページ4

"どっぺるげんがー"ってナンダ？

私の心の疑問が顔に出ていたのか、結衣は説明する

「ドッペルゲンガーっていうのはね」

・・・

ドッペルゲンガーとは意訳すると「二重の歩く者」となる
つまりドッペルゲンガーは、
自分の姿を第三者が違うところで見る、または、自分が異なった自分自身を見る現象、
「生きている人間の霊的な生き写し」などを指すために使われている。

ドッペルゲンガーの特徴として、
ドッペルゲンガーの人物は周囲の人間と会話をしない
本人に関係のある場所に出現する
等があげられる

「自分のドッペルゲンガーを見ると、しばらくして死ぬ」などと語られることもあり、
恐れられていたものであり、現在でも恐れられることがある現象である

・・・

結衣のすさまじい情報量に圧倒されながらも、なんとか理解して
私はうなずいた

さらに、結衣は説明を続けようとしたが、ちょうど予鈴が鳴った

「時間がないみたいだから、あとで説明するよ」

残念そうにそう言って、結衣は席に座る

っていうか、まだ説明する気だったのか…

にしても、今の説明を聞いているかぎり、ドッペルゲンガーじゃなかったみたいだ

結衣の説明では、ドッペルゲンガーは周囲の人間と会話をしないようだ

一応、(母親の勘違いかもしれないが)母親の見た自分は
「いってきます」という言葉を発したのだから、ドッペルゲンガーではない

よって、母親とクラスメイトの勘違いだった、ということになる

「うん、そもそも
　ドッペルゲンガーなんているわけないよね」

勘違い、ということがわかってスッキリする私

…しかし、後に私のほうが勘違いをしていた、ということを思い知ることになる

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