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7話 ページ9

列車が駅に到着すると、私たちは暗いプラットホームに飛び出した。

「イッチ年生はこっち!イッチ年生はこっちだ!」

ランプを持った男の人が、私たち新入生の案内役らしい。
しかしデカい。暗い中でもはっきりとわかるほどにその男の人はデカい。背丈は普通の二倍、横幅は五倍はあるだろうか?
ぼうぼうとした黒い髪と長い髭がもじゃもじゃと絡まり、ほとんど顔中を覆っていた。

「デカイな・・・、巨人か?」

「そうかもね」

彼の風貌を見た新入生たちの話し声が聞こえる。

「さあイッチ年生、ついて来い!足元に気をつけろ!」

大男は険しく狭い小道をさっさと歩き出した。皆は滑ったり躓いたりしながら置いていかれないよう早足で追いかける。思ったのだが、このローブはお世辞にもこういう道を歩くのには適してないだろう・・・
内心悪態を突きたい気持ちを抑え、私は歩きづらい道を進んだ。

ズルッ!

「あっ」

湿った道で私は足を滑らせた。

ヤバい
転ぶ

思わず目を閉じた。

ガシッ

転びかけた私の腕を、誰かが掴んだ。

「大丈夫?」

助けてくれた少年は、心配そうな表情で聞く。暗いから顔はよく見えないがどうやら男の子のようだ。優しそうな声をしている。

「ええ、大丈夫よ。ありがとう」

男の子は安心したように「良かった」と言った。
少し歩くペースが落ちてしまったが、さっき助けてくれた男の子が一緒にいてくれたおかげではぐれずに済んだ。

雲が晴れたのだろうか?
さっきよりも明るくなり、月明かりに照らされた男の子の顔が見えた。鳶色の髪に、頰は引っかき傷があり、どこか不健康そうに見える。でも優しげな顔立ちだ。

「ねえ、あなた名前は?
私はサクラ・ユキシロ」

私は歩きながら自己紹介をした。男の子は柔和な笑みを浮かべ、自分の名を言った。

「僕はリーマス。
リーマス・ルーピン」

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設定タグ:ハリーポッター , 親世代 , シリウス・ブラック   
作品ジャンル:恋愛
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ナツピー(プロフ) - 受験生さん» コメントありがとうございます。時間かかるかもしれませんが必ず続きは書くのでお楽しみに! (2022年1月6日 7時) (レス) id: 56c6e69f8d (このIDを非表示/違反報告)
受験生 - 初コメ失礼します!続きがすごく気になります!!更新頑張ってください!! (2022年1月5日 23時) (レス) id: 5fbad7a3d7 (このIDを非表示/違反報告)
ナツピー(プロフ) - cherryさん» こちらこそ誤解させる表現をしてしまいすみません。続きはもう少し内容が固まったら投稿しますのでお楽しみに(^ ^) (2018年12月21日 23時) (レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)
cherry(プロフ) - あ、重要な所突っ込んじゃってごめんなさい!そうだったんですね!続き楽しみにしてます♪ (2018年12月21日 23時) (レス) id: 84049ed362 (このIDを非表示/違反報告)
ナツピー(プロフ) - cherryさん» コメントありがとうございます。マグル製品がまともに機能しないという設定は私も知っていますが、この物語の主人公のサクラはまだ入学してそんなたってないのでそのことは知らないという設定です。まあネタバレすると録音作戦は失敗に終わります。 (2018年12月20日 22時) (レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ナツピー | 作成日時:2018年9月9日 21時

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