桜色の記憶

38話 ページ40

デコッパゲ(名前忘れた)に盛大な暴言を吐いて早2週間。

一言言おう
やりすぎた

いや、別に暴言吐いたことを後悔してるわけではないのよ。でもその場の感情に流されすぎた・・・
あれ以来、スリザリンの奴らから敵意のこもった視線、もしくは恐れるような視線を向けられるようになった。まあ以前ほど露骨に嫌味を言われることはほとんどなくなったから、それ自体は結果オーライだ。

私は基本スリザリンの連中嫌いだから、嫌いな連中に敵意を向けられたとしても痛くも痒くもない。問題は、あれ以来私の周りがとても騒がしくなったことだ。

いや、マジで


声をかけてくる人が増えた
とか

あれがきっかけで親しい人が増えた
とかならまだいい


あれがきっかけで親しくなった人も確かにいるし。
でも・・・

「ユキシロ、今日はスリザリンの奴らをどんな風に言い負かしてやったんだ？」

「どうせなら呪いでもかけてやればいいのに」

こんなことを言ってくる奴らがかなり増えた。しかも大半がグリフィンドール生だ。他の寮の連中だったら、適当にあしらうなり流すなりできるけど、同じ寮ならそうはいかない。おまけに上級生ときた。

まあ、グリフィンドールとスリザリンの仲の悪さを考えると、こういうとこを言ってくる人たちの気持ちも分からなくはないけど・・・

この2週間毎日のようにこんなやりとりばかりだから、正直相手にするのもかなり面倒くさい。

でも、そんな連中を牽制してくれる人にも出会えた。

「あなた達、あまり勝手なこと言ってサクラを困られちゃダメよ」

「アリス先輩・・・」

アリス・レイナード

グリフィンドールの5年生で監督生。2週間前の一件以来何かと私のことを気にかけてくれる。ちなみに、グリフィンドールのクィディッチチームのチェイサーだ。監督生であるアリス先輩が一言言えば、面白半分で私に近づいてくる連中はすぐに引き下がる。

「大丈夫だった？いつも大変ね」

「はい。まあ一応自業自得ですから」

「何かあったら相談してね。監督生としてちゃんと対処するから」

「はい、ありがとうございます」

こういう人を監督生の鏡って言うんだろうな・・・
あのデコッパゲとは大違いだ。

ホグワーツに入学してからトラブルはそれなりに多いけど、やっぱり私はなんだかんだでここでは良い人間関係を築けていると思う。

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