番外編 ページ32
「あだだだだっ！」
「こら！動くんじゃないよ！」
「いや、そんなこと言われても本当に痛いんだって！」
「男でしょ？我慢しなさい！」
意識が戻り、一応歩けた男の子を家に入れ、私は彼の怪我の手当てをした。魔法使いなんだから自分で治せるんじゃないか？とも思ったが、さっきまで血まみれで倒れてたやつに怪我くらい自分で治せと言えるほど私も鬼ではない。
「はい、おしまい」
「ありがとう。君のおかげで助かったよ」
彼はそう言ってニカッと笑った。そんな曇りのない笑顔を見るのはずいぶん久しぶりだ。
「ねえ、僕の近くに木の棒が落ちてなかった？」
「ああ、それならあなたが倒れてたところのすぐそばに落ちてたわよ。持って来ましょうか？」
「うん、お願い」
私はもう一度家を出て、落ちてた場所にそのままにしておいた彼の杖を持って来た。
「はい、これでしょ？」
「ああ、それそれ。ありがとう。
君の親御さんは今日留守なのかい？」
男の子は家の中を見回しながら聞いた。まあ少し観察すれば私以外にも住んでる人がいることくらい分かるだろうしね。
「ええ、今日は用事で留守なの」
私は当たり障りなく答えた。今度は私が聞こう。
「それよりあなた、何であんな怪我して倒れてたの？」
「え？い、いや〜。
ちょっと、失敗したっていうか・・・」
なるほど、魔法の練習してて失敗でもしたのか。
彼は私が何も知らないマグルだと思っているようだ。
まあ当然といえば当然だ。
そう思っているのならそのままでいい
「何があったのか聞く気はないけど、動ける程度回復したら早く帰ってね」
本来なら怪我人に言う言葉ではないだろうけど、私は一応アメストリスでは行方不明扱いだ。迂闊に他人を家にあげるのもするべきではない。
彼は何か訳ありであることを察したのか、特に追及する訳でもなく「わかった」とだけ答えた。その日の夜、ある程度回復した男の子は慌ただしく出て行った。
「本当にありがとね」
「ええ・・・」
私は玄関先で彼を見送った。家のすぐそばで彼の気配が消えた時、私は彼の名前を聞いてなかったことに気づいた。
「ま、いっか・・・」
どうせもう会うことなんてないだろうし
当然この時の私は、すぐに彼と再会することになるなど夢にも思ってなかった。
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いのり(プロフ) - コメント失礼します！金ローでハリーポッターを見て，この作品を思い出し読み返しました！数年前に何回も読みましたが、今読んでも面白いです！シリアスとはやく会えることを祈ってます！更新頑張ってください！待ってます！ (1月21日 1時) (
レス) id: 2ffbd373da (このIDを非表示/違反報告)
ナツピー(プロフ) - シェリーさん» コメントありがとうございます！親世代編から見てくださったのですか？とても嬉しいです！内容固まり次第更新再開しますのでお楽しみに！ (2022年1月27日 22時) (レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)
シェリー - 初コメ失礼します。親世代の方からきました！親世代もすごく好きだし，子世代もすごく面白くて好きです！！夢主ちゃんがシリウスと会ったら…なんて考えてすごく楽しみです！更新頑張ってください！ (2022年1月27日 22時) (レス) @page39 id: 5fbad7a3d7 (このIDを非表示/違反報告)
ナツピー(プロフ) - ミリアさん» コメントありがとうございます。知ってる作品は書いてみたいと思うので、その時はまた読んでいただけると嬉しいです。 (2018年11月13日 6時) (レス) id: 41b7b6a015 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 続きが楽しみで面白かったです!今後他の作品を作る予定があったら鋼の錬金術師とコラボかトリップか転生したリボーンか刀剣乱舞かワールドトリガーかワンピースかアニメKの作品が読んで見たいです。説明が下手ならすみません。今後も無理せず更新頑張ってください。 (2018年11月8日 9時) (レス) id: 9ed3e7f136 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナツピー | 作成日時：2018年8月14日 14時
