33 恋バナ ページ33
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「で、どうなの！？」
なつきは相変わらず何を話すにも突然で文脈もない。その勢いにちーちゃんは「ちょっと！危ないんだから落ち着いて」と声をかけ、かおりはなつきが言わんとしていることが分かるのか、口を尖らせて不満そうな表情を見せた。
一つ息を吐いてきらきらと眩しい瞳を直視する。
「…どうなの、とは」
窺うようにそう尋ねると、なつきからわざとらしい大きな溜息が吐き出された。隣に座るかおりはズコーと音を立ててオレンジジュースを飲む。からんと溶けた。
十五時のカフェは、そこそこ賑わっていて空いている席は少ない。古びた茶色が目に優しかった。
三人とも、午前練で疲れているはずなのにそんなのも感じさせない彼女らを心底尊敬する。むしろいつもより元気に見える。
「なにはぐらかそうとしてるのよ。月島くんとのこと！」
「えぇ……なんもないよ」
私に何を期待しているのだろうか。八月の初旬、夏休み始まってそんなに経っていない。バレー部は合宿だって言ってたのだからまず会う機会がそもそも無いのだ。
……って思ってたのに一昨日会ったけどさぁ……この事は言うつもりはない。面倒になるのは分かってるし、私は彼に恋愛感情を抱いてない。蛍も蛍で好きな人いるらしいし。
「私たちは恋バナしたいの〜〜！！」
「だからってさぁ……」
「なつきこそ、野球部マネなんだからなんかないの？」
「ないよ！」
そうきっぱり言う。かおりとちーちゃんが顔を見合わせて面倒くさそうな表情をした。なつきが話題を振り回す所為か、収束が付かない。
店員さんと目が合い、じとりとした視線を食らったので人差し指を唇に当てて、しぃーと小さくなつきに指示する。もごもごと吃った彼女はまた話し出した。
「私はあの月島くんが珍しく！女子とあんな表情で話してる事実が気になるの！」
「全部正直に言ったな」
「恋バナしたい訳じゃないじゃん」
「悔しいけど、同意〜」
馬鹿正直に言ったなつきに、ちーちゃん、私、かおりと相槌を打つ。
そうして隣のかおりに「わかるよね〜！？それもAにだよ！」とわくわく話すから、かおりは眉を顰める。
「わかるけど私は認めないんだからね、A」
「うん……？」
いつまでも不満げに言う彼女に、なんで認める認めないの話になっているのか不思議に思う。それ以前の事なのに。
「でも、優越感みたいなのは感じてるんじゃない？」
その一言がやけに頭に残った。
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辛 - 日本語化ちょいちょい変。てにをはもおかしい。無理に難しい言い回しわ使わない方がいいと思う。 (9月11日 12時) (
レス) @page26 id: 5015934a65 (このIDを非表示/違反報告)
む - めちゃくちゃ良かったです。他の作者様だと冷たかったり口が悪い月島が多いですが、このお話の月島は冷た過ぎず、他人に干渉し過ぎず距離感がちょうど良かったです。とても上手に表現していると思います。告白も月島からなのが良かったです。 (2021年4月18日 4時) (レス) id: be1d7978bd (このIDを非表示/違反報告)
KOMORE(プロフ) - むさん» 本当に長らくお待たせしました……！皆の感情にどう現実味を出すかたくさん考えていたのでそうやって受け取って貰い感無量です。全文私にとって嬉しく糧になるお言葉です。読んで下さり本当にありがとうございました！ (2021年2月10日 10時) (レス) id: d075f9ab0b (このIDを非表示/違反報告)
む - 更新楽しみにしていました！ 皆の心の動きがとてもリアルで、ツッキーはこんな子とこういう恋愛をするのだろうな、と胸にストンと落ちました。等身大の高校生なこの作品がとても好きです。 完結おめでとうございます！ (2021年2月9日 2時) (レス) id: 727df39cb7 (このIDを非表示/違反報告)
KOMORE(プロフ) - なづなさん» コメントありがとうございます！テーマとしている高校生感を感じ取って下さりとても嬉しいです……！ゆっくりですが完結までついてきて頂けると有難いです。応援ありがとうございます！ (2020年5月11日 21時) (レス) id: d075f9ab0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：KOMORE | 作成日時：2020年1月14日 22時
