17. ページ17
.
カーナビに目的地周辺に到着したことを告げられて、近くのコインパーキングに車を停める。
Aカフェの隣のコインパーキングに車停めたよ
念のため、地図を添付しておいた。
増田さん、どの辺でロケしてるんだろう。
ここに来る途中でそれらしき人たちは見かけなかったけど。
すぐには既読がつかなかった。
きっとまだお仕事終わってないんだね。
私も早めに着いたし。
エンジンを切って地図アプリを開く。
大丈夫って言ったけど3時間もぶっ続けで車を運転したことなんか無いし、ましてや増田さんを乗せるなんて物凄いプレッシャー。
もう何日も前から、こうやって地図を見てはシミュレーションを繰り返していた。
増田さんは、「俺の車使っていいよ」って言ってくれたけど遠慮した。
全く土地勘のない場所に行く上に運転し慣れない大きな車とか、絶対無理。
という訳で、増田さんには申し訳ないけど花屋の名前入りの軽四で行くことになった。
この車から増田さんが降りてきたら、旅館の人ビックリするだろうな。
そもそもお客さんだなんて思わないよね。
コンコンっと窓を叩く音がして気がつくと、いつの間に来てたのか増田さんが笑って立っていた。
「おまたせ。とりあえず、後ろに乗っといていい？」
『あ、うん』
返事をすると、後ろのスライドドアを開けて増田さんが乗り込んでくる。
『お疲れ様。この近くで撮影してたの？』
「うん。その店。
店の中からAが車停めてるとこ、実は見てた」
『嘘』
見られてたの？
一度しか切り返さなかったし、変な停め方はしてないはずだけど…
それにしても全然気づかなかった。
よくよく見てみると、コインパーキングの向かいの焼肉バルの店内にカメラを構えた人が見えた。
『思いきり目の前だし。この車に乗り込むとこ見られなかったかなぁ』
「大丈夫でしょ。一応、わざわざ反対方向に行ってからぐるっと回って戻ってきたし」
お肉食べてきたんだ。
そう言えばなんとなく後ろからいい匂いがする。
『じゃあ、ちょっと隠れといてね』
「おっけー」
後部座席の増田さんが身を屈めたのを確認して、車を発進させた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 223人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まり(プロフ) - なつさん» コメントありがとうございます！尊敬なんて、おそれ多いです^^;これからも毎日更新頑張ります☆ (2020年7月26日 2時) (
レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - 初めまして。いつもよませていただいてます。わたしも書き手ですが、まり様は内容が面白いだけでなく毎日更新もされていて尊敬するばかりです！これからも応援しています！ (2020年7月25日 2時) (レス) id: 0189702ceb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まり
| 作成日時：2020年7月2日 2時
