ΨBootis☆Y☆ (ページ26)

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「連休取れたの？
いつ頃？何日くらいいれる？」

Aの突然の日本に帰る発言に思わず舞い上がってしまう。

どこに連れてこう。

ベッド買い替える？

ちょうどその期間俺は海外ロケ、とかは絶対避けたい。

『ずっとだよ。本社に戻るの。
もう少し先だけど』

「へっ？」

どうやらAが言った日本に帰るは、俺が思っていた帰るとは違うものだったらしい。

でも、すごく嬉しい誤算。

Aは元々、2年の期限付きだったこっちへの出向を延長していた。

それから更に2年になる年末を持って日本に戻ることにしたらしい。

さっきの電話は日本の本社から。
時差的に、向こうは普通に仕事中だもんな。

「もしかして、俺に出会ってなかったらまだ日本に戻らなかったとか？」

『うん。ずーっとこっちにいたかも』

「マジかー。そんじゃ、Aが日本に戻ったらめっちゃ大事にしないとな」

もちろん、今もすごく大事な存在だけどね。

『日本に戻ったら、たくさん会ってくれる？』

「当たり前じゃん。毎日だって一緒にいるよ」

一応、他に人がいるのはわかってたけど、そんなのどうでも良くって、Aを引き寄せてキスした。

──────────

それから数ヶ月。

初めて出会った時からほぼ1年が経過していた。

あの後俺は2回Aに会いに行ったし、Aも1度日本に帰ってきたから、そんなに寂しい思いはせずに過ごした。

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「A！」

よかった。間に合った。

12月の空港。

普段よりもだいぶ多めの人の中から、タクシー乗り場に向かっているだろうAの姿をようやく見つけた。

『祐也。来ちゃダメって言ったのに』

俺を見たAは驚いた様子でこっちに駆け寄って、キョロキョロと周りの様子を伺う。

「大丈夫。誰も気付いてないって」

『そんな事ないよ。祐也が思ってるよりだいぶ目立ってるからね？
ここ日本だよ？』

感動の再会かと思ったら、いきなり軽く叱られてしまった。

「ほんと、大丈夫だって。
みんな周り見る余裕なんて無さそうだし、逆にこんくらい人多い方が分かりにくいんだって。
そんなことより…

おかえり、A」

『…ただいま』

ほんとは今すぐここで抱きしめてキスしたいけど、さすがにそれはやめておくことにした。

これからはいつでもそれが出来るんだし。