6. ページ6
.
それからしばらく経ったある日。
4人での撮影の仕事が入っていた。
控え室には出版社が毎回用意してくれるお菓子やら軽食がいっぱい並べられて、小山とまっすーはサンドイッチを頬張っていた。
「美味いんだけど、こないだもっと美味いフルーツサンド食っちゃったからなぁ…」
「え？それって、どこの？」
小山の言葉にまっすーが反応する。
「こないだ、撮影で使わせてもらったカフェで…ね？シゲ」
「ん？ああ…」
突然同意を求められて、慌てて頷く。
厳密に言えばORIHIMEでサンドイッチを食べたのは小山だけだったから、美味しいかなんて俺は知らないけど、でもこないだAさんと半分ずつ分けたあの食パンはめっちゃ美味かった。
「あー、話したらめっちゃ食べたくなってきた。なんだっけ、店の名前。シリウス…」
「ORIHIMEな」
美味かったとかめっちゃ食べたいとか言うわりには全然覚えてないし。
惜しいんだか惜しくないんだかよくわかんない間違いしやがって。
「あ、そうだ。ORIHIMEだ」
「小山全然違うじゃん」
ゲームに夢中になってる手越にも会話はちゃんと聞こえてるらしく、NEWSのORIHIMEを口ずさんでる。
「てか、急にお店使わせてもらったんだけど、マスターがめっちゃいい人でさ。
お姉さんも感じよくて美人なの」
「えー、まじ？それいつ放送？」
「今やってるやつの、次の次くらいかな？シゲ…」
「だね…」
OA前にもう一回くらい行かなきゃな。
実は撮影の翌週に1人で行ったことも、パンを貰ったことも、その美人のお姉さんはAさんという名前で、俺は結構気になってるってことも、何一つメンバーには話さないでおいた。
.
番組のスタッフから説明を受けたのはその2日後のこと。
ORIHIMEで撮影した分の次の企画の撮影が終わった後だった。
「本当に申し訳ありません。どうしても放送することが出来なくなってしまって…」
それは、ORIHIMEで撮影した回の放送がお蔵入りになったとの知らせだった。
ゲストに問題が起きてどうしても出演させることが出来なくなったらしい。
まぁこんなことこの世界じゃよくあることだし、俺的には今後も気軽にORIHIMEに通えることはむしろ嬉しいくらいなんだけど。
マスターとAさん、せっかく場所用意してくれたのに、ガッカリだよな…
いつになく、申し訳なさでいっぱいになった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 112人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まり(プロフ) - ゆかさん» コメントありがとうございます☆全部読んで頂いてるなんて、嬉しすぎます！温かいお言葉ありがとうございます。更新頑張ります。 (2019年10月12日 0時) (
レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
ゆか - 初コメですが、、以前から、コッソリとまりさんの作品大好きで、全て読ませて頂いております！低評価の件ですが、どうか気にする事なく、まりさん自身ムリのないよう更新頑張ってください！楽しみにしております(^^)/ (2019年10月11日 3時) (レス) id: 58f4b53075 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - ○○さん» コメントありがとうございます☆私の作品を見つけて頂いてありがとうございます。だいぶ元気がでてきましたので、最後まで頑張ります！ (2019年10月8日 22時) (レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - ひなさん» コメントありがとうございます☆年上彼女がマズかったのか、と悔いていたので少し安心しました。確かに、誰かが評価してくれると直後に低い点を入れられる、と言うのが続いていたんです…最後まで頑張ります！ (2019年10月8日 22時) (レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - りんりんごさん» コメントありがとうございます(^-^)温かいお言葉、励みになります。最後まで更新頑張ります！ (2019年10月8日 22時) (レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まり
| 作成日時：2019年9月20日 3時
