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『今日、めっちゃ暑かったの。さすがに半袖にしたもん』
「こっちは全然。朝晩はさらにパーカー1枚足さないと寒いし」
『ねぇ、遊びに来れないの?』
「ちょっと今はムリ。
連休取れないし、金も無いし。
Aは?夏休みにでも小山と遊びに来れば?」
『行けるかなー。
私もバイトしてお金貯めようかな』
なんだかんだ、貴久とは頻繁にLINEとか電話で連絡を取り合っていた。
洋服屋さんとスポーツ用品店のバイトを掛け持ちしている貴久は、結構忙しいらしい。
実家が無くてもこっちに遊びに来たら?なんて気軽に誘ったけど、バイトもあるし交通も結構かかるしでゴールデンウィークは会えなかった。
『そういえば、彼女は?会ってる?』
「彼女?誰?」
『誰って、水泳部の、先輩の…』
「ん?あー、とっくに別れてるし」
『は?いつ?』
「えー?10月とか11月くらい?」
聞いてない。
そもそも付き合い始めた時も教えて貰えなかったし。
『私が、彼女と遠距離になるの?って聞いたらそうだよって言ってたじゃん』
遠距離で大丈夫かな、とか一応心配してみたりしたのに。
高校卒業する前にとっくに終わってたんじゃん。
「そうだっけ」
貴久はまんまとしらばっくれる。
『そうだよ…』
あれ。
11月…。
あの時、既に貴久は彼女と別れてたってこと?
「あれ?もしもーし。Aさーん?」
じゃあ、私だけ彼氏いるのに浮気したんじゃん。
お互い相手には秘密だよって、してしまった事だと思ってたのに。
『なんで言ってくれなかったの?』
「ごめん、なんか別れたって言うの恥ずかしくて。遠距離で自然消滅ってことにしようかなーって…」
『そうじゃなくて…』
貴久が北海道に行くって言った時の事を言ってるんじゃない…
「じゃあさ…
俺があの時彼女と別れたって言ってたらAはどうしたわけ?
カラオケやめて1人で先に帰った?
それとも、小山と別れて俺のとこ来た?」
『わかんないよ』
その時どうしたかなんて、今更わかんないし、貴久がなんでそんなこと言うのかもわかんない。
『もう、切るね』
通話を終えて、ついでに電源も切ってベッドに潜り込んだ。
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まり(プロフ) - 美雨さん» ありがとうございます(*^^*)次作以降もよろしくお願いします☆ (2019年9月20日 0時) (レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - 亜紀さん» ありがとうございます(*^^*)またお付き合い頂けたら嬉しいです☆ (2019年9月20日 0時) (レス) id: fa3c703b69 (このIDを非表示/違反報告)
美雨(プロフ) - 完結おめでとうございます。次作も楽しみにしてます! (2019年9月19日 0時) (レス) id: 97a72a3edf (このIDを非表示/違反報告)
亜紀(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです!!また読みたいです (2019年9月19日 0時) (レス) id: e90def3f5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まり | 作成日時:2019年9月9日 0時