１８話「無防備」 ページ19
レイ「適当に座っていいよ」
勉強を教えるために私の家に呼んだ。
私と黄瀬だけだから緊張しなくていいのに黄瀬はめちゃくちゃ緊張している。
レイ「さっそく勉強始めるよ」
黄瀬「は、はいっス！！」
何故敬語なのかは知らないがまぁいい。
こうして私たちは勉強を始めた。
レイ「だからxかyを消すために同じ数にしないといけないの」
黄瀬「それはわかってるんっスよ！」
いつもの調子に戻ってきた黄瀬。やはり緊張してるのか黙ったり敬語つかったりする黄瀬より断然良い。だが、頭が悪いのは変わらない。教えるこっち側が疲れてきた。
レイ「この場合、xのほうが数字は小さいし計算しやすいから＿」
黄瀬「y＝４っスよね！？」
この簡単な式を解くのにに10分以上かかったのは何故?
レイ「正解。じゃあ、この式にさっき計算した４をyに代入して計算してみて」
黄瀬「えっと……10x+6y＝9だから…代入…6×4は24。9+24は33((」
レイ「はい不正解」
丸めたノートで黄瀬の頭をかるく叩く
黄瀬「えぇ！なんでっスか！」
すこし涙目になりながら訴えてくる黄瀬。
当たり前だろ。
レイ「移行するんだから符号はどうなるの？」
黄瀬「…あ！24が−24になって…-15！x＝−15っス！」
レイ「せーかい。ならこの問題も解けるはずだよ」
それから集中して今や不正解より正解のほうが多くなってきている。
黄瀬「どうっスか！？」
レイ「正解だよ、偉いね」
頭を両手を使って撫でてあげる。
黄瀬「っ////…レイっち」
急に真剣な顔になり、腕を掴まれる。
黄瀬「無防備すぎじゃないっスか？」
俺も男なんっスけど…と呟く黄瀬。
レイ「そうだね」
黄瀬「そうだねって…はぁ」
意識されてないことにすこし…いや、結構落ち込んでる黄瀬の頭をまた撫でると、黄瀬はこちらのほうに顔を向けたと思えば顔を近づけてきた。
黄瀬「俺、勉強頑張ったっスよ。ご褒美…くださいっス」
レイ「…じゃあ。これからは二人だけの秘密のことしちゃおっか」
両頬を掴み鼻先をくっつける。
黄瀬「レイっち…///」
女の子みたいに顔を赤くしている黄瀬の唇に私の唇を合わせ……
レイ「なーんて、冗談だよ」
重なる寸前で止めて離れる。
黄瀬「っ////(心臓に悪いっスよ…//)揶揄わないでほしいっス…」
レイ「ごめんごめん。ご褒美は…」
黄瀬「もう充分っス！」
え、何もしてない気がする…←
黄瀬(俺だけが意識してるみたいで何か悔しいっス…)
レイ(彼のテストの結果はギリ赤点回避だけど…まぁいいか)
続く
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作者名：ひとかけら | 作成日時：2023年7月16日 12時
