見えぬ記憶の幼き思い出 (ページ3)

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二鳴ページ3

仕事を全て完璧に終えた翌日。

軽く荷物をまとめて、あるところに来ていた。

鳴楽『ほぉ～。これが"列車"か……』

眼前に映る黒く大きな巨体の列車に、鳴楽は気持ちを高ぶらせる。

鳴楽『おっさん達の話が気になってきてみて正解だったな！想像以上の迫力だ！』

子どものように目を光らせ、鳴楽は列車に乗り込もうとしたその時……

？「猪突猛進！」

ドーン！

鳴楽『うお！なんだなんだ！』

突然の大きな声と音に驚いて聞こえた方を見ると、そこには猪の頭をした人？と、その人を抑える黄色頭と赤毛頭の少年がいた。

鳴楽『……変わった奴もいるもんだな』

先程のことは見なかったことにしようという考えに至り、鳴楽はさっさと列車に乗る。

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列車に乗り、席に座って室内を眺めた。

鳴楽『(ふ～ん。中はこうゆう作りになっているのか、勉強になるな)』

天井、床、窓、椅子など様々なところを見ていると、これまた大きな声が聞こえてくる。

？「うまい！うまい！うまい！うまい！うまい！」

鳴楽『今度はなんだ？』

男の謎の響きに、キョロキョロと周りを見て確認していると……

？「あの……すみません」

？「うまい！うまい！うまい！」

先程見た赤毛頭の少年が黄色に毛先が赤と変わった髪色のうるさい青年に声をかけていた。

鳴楽『うるせぇ、関わったら更に面倒だな』

何処からともなく耳栓を取り出して両耳につけると、周りの音はしなくなり、自身の思考の中へと落ちる。

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霧がかかっていた。

その中に一人、幼い自分が"まだ女の子の服"を来て遊んでいる。

鳴楽《まるたけえべすにおしおいて、

あねさんろっかくたこにしき、

しあやぶったかまつまんごじょう、

せきだちゃらちゃらうおのたな、

ろくじょうひっちょうとおりすぎ、

はっちょうこえればとうじみち、

くじょうおおじてとどめさす》

舌ったらずな声で歌いながら鞠をついて遊んでいると、一人の男が近づいてきた。

〈……それは誰に教えてもらったんだ？〉

鳴楽《ちちうえ！あのねあのね！とおくのほうのおうちにいたおばあちゃんからおしえてもらったの！》

男を見るなりパッと顔を輝かせた自分は、身長差があるその男の足に抱きつかきながら元気よく言っている。

〈…そうか。それは良かったな〉

鳴楽《うん！ちちうえ！だっこしてください！》

抱っこをせがむと、男はゆっくりと優しく抱き上げてくれた。