第35話肆 ページ16
雪奈は崩れ落ち、桔梗は咄嗟に抱き止めました。
「雪奈!」
「害獣の血でも、飛沫く様は美しいのう。そうは、思わぬかえ。桔梗や」
ポートマフィア幹部
尾崎紅葉――――能力名『金色夜叉』
「姐さん、月華にーにの方が何倍も綺麗」
ポートマフィア幹部補佐
中原鏡花――――能力名『夜叉白雪』
「……!(何で、花まで居るの⁉)」
「それもそうじゃの。あの子程、美しき者などありゃせぬか。息災じゃったか?」
着物を着た女性、紅葉さんがやって来ました。傍には、鏡花ちゃんがいます。今日は、着物を着ています。色は唐紅、帯は山吹色です。
「私がどれほどそなたを案じ、胸を痛めたか。このような――――」
雪奈が起き上がろうとした時、紅葉さんは雪奈の傷を抉るようにして踏みつけました。
「獣畜生共の下に、そなたを置いて行く事になって」
「ぐあッ⁉」
「じゃが私らが扶け(たすけ)に来た。もう心配は要らぬぞ」
「何故、貴女達が……電話を」
「簡単な事、この人が云った業者さんを刺して吐かせただけ」
「(なでなで)花や、少ーし下がって要るのじゃ。もう何も、思い煩う事は無い。さあ、帰るぞ」
「(o・ω・o)判った。貴女の居場所は、マフィアだけ。異能を操る覚悟が無いのに、日の光の中で過ごせるの?」
桔梗は顔色を悪くしています。鏡花ちゃんは、船で云ったような事をもう一度云いました。
「(ち……!)この子はもう、マフィアには戻らない!この子の力は、探偵社の仕事で振るわれるものよ!」
それを聞いた、紅葉さんの目から一粒の涙が零れ落ちました。その様子を見た桔梗は驚きで言葉を失いました。
「……⁉」
「姐さん?大丈夫?」
「大丈夫じゃ。矢張り……鴎外の許可など待たず、迎えに来るべきであった。このような、欺瞞と偽善の巣に、そなたを一秒も置いてはおけぬ」
紅葉さんは、コツコツと桔梗に近付き、抱き締めました。
「可哀想な桔梗や。甘言に拐かされて、そこが日の世界と勘違いしたのであろう。じゃが奴等は孰れ云うぞ。夜叉白雪を使えと」
「!」
「それは、厭であろ?じゃが、案ずるな。異能目当ての屑共など、私らが微塵に切り裂いてくれる」
「………!マフィアが、それを云うの………!」
雪奈は、腕と脚を虎化させ、紅葉さんに飛び掛かりました。が、次の瞬間雪奈の身体に無数の刀で裂いた傷ができました。辺りには、血が飛び散っています。
「ふふ、遅いのう。なあ、花や」
「うん、月華にーに達の方が疾いよ。」
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香蓮(プロフ) - 時雨さん» 返信が遅れ、すみません。鬼灯様は私も読んでいるので、ぶっ混んで見ました。有難うございます。此からも宜しくお願いします! (2017年10月20日 23時) (レス) id: cd4a112f1d (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 鬼灯ネタああああああっ!面白いです(*´-`)頑張ってください! (2017年6月18日 22時) (レス) id: 0b0c816585 (このIDを非表示/違反報告)
香蓮(プロフ) - 遊兎さん» 有難う御座います!更新頑張りますね。楽しみに待ってってください。 (2017年5月22日 21時) (レス) id: 622d8c59e3 (このIDを非表示/違反報告)
遊兎 - 面白かったです!!一気読みしちゃいました(*^^*)更新頑張って下さい!楽しみに待ってます(*´ω`*) (2017年5月22日 21時) (レス) id: 214e30e491 (このIDを非表示/違反報告)
香蓮(プロフ) - 三波葵さん» 有難う御座います。楽しみに待ってってください。うちの芥川は、原作よりちょびっと、丸くなっているので、そう思って頂けて嬉しいです。 (2017年5月20日 18時) (レス) id: 622d8c59e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:香蓮 | 作者ホームページ:http://霧屋蘭斗、霧屋2016
作成日時:2017年4月1日 1時