第34話肆 ページ11
雪奈は云いました。異能を解除して、皆を解放しろと。でなければ、このまま奥に引きずり込むと云いました。アリスは驚いています。
雪奈は続けます。鍵がなければ扉は開かない、ならアリスが室に幽閉されてしまえば、扉を開けられる人は居なくなると云いました。
そして、そうなってしまえばアリスが異能を解除してもアリスは元の世界に戻れないのでは、と問いました。
「それは……」
「異能はね、便利な支配道具ではないの。それは、私が善く判っているわ。自分が創った空間に死ぬまで――――否、死んだ後も囚われていたい?」
「あたしは……失敗するわけには」
「今から手を離すわ。決断する時間は、扉が閉まる一瞬しかないわ」
「だめ、待っ」
アリスは雪奈に待ったを掛けましたが、雪奈は手を離しそのまま、アリスと一緒に扉の中に吸い込まれていきました。次に目を開けたとき、捕まって居た人達と共に、元の世界に戻って来ていました。皆、無事等を確認しています。雪奈は、アリスを探し声を掛けましたが、アリスは睨み走り去っていきました。雪奈は無言で見送ります。
「あああっエリスちゃん!」
「(あ、見つかったのね)」
先生の前に幼女がいました。先生は泣いています。
「大丈夫だったかい。何処に行ってたのだい。心配したんだよう、突然居なくなるから」
「急に消えたら、リンタロウが心配すると思って」
「そうだよ。心配したよう。泣くかと思ったよう。もう泣いてるけど」
「そしたら、泣かせたくなった」
「非道いよ、エリスちゃん!でも、かわいいから許す!」
エリスちゃんと呼ばれた幼女は、さらりとえげつない事を云いました。けれど、先生は許していました。周りに花が舞っています。雪奈は、何だろうなーと見ていると、誰かが走ってくる音が聞こえてきました。雪奈に思いっきり抱き付いて来たのは、桔梗でした。
「桔梗!迎えに来てくれたの?」
「……(コクン)心配したから」
「ありがと」
先生が声を掛けました。
「それでは、私達は失礼するよ」
「助言(アドヴァイス)、有難う御座いました。そう云えば、お医者さんなんですか?」
「元医者だよ。今は小さな寄合の仕切屋中年さ」
「「先生!」」
谷崎君とナオミちゃんが声をかけてきました。
「潤君、ナオミちゃん、大丈夫かい?怪我は?」
「大丈夫です。其より、出歩いてて大丈夫ですか?」
「本当ですよ。エリスちゃん、元気にしていましたか」
「ナオミ元気にしてるわ!あ、戻んないと」
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香蓮(プロフ) - 時雨さん» 返信が遅れ、すみません。鬼灯様は私も読んでいるので、ぶっ混んで見ました。有難うございます。此からも宜しくお願いします! (2017年10月20日 23時) (レス) id: cd4a112f1d (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 鬼灯ネタああああああっ!面白いです(*´-`)頑張ってください! (2017年6月18日 22時) (レス) id: 0b0c816585 (このIDを非表示/違反報告)
香蓮(プロフ) - 遊兎さん» 有難う御座います!更新頑張りますね。楽しみに待ってってください。 (2017年5月22日 21時) (レス) id: 622d8c59e3 (このIDを非表示/違反報告)
遊兎 - 面白かったです!!一気読みしちゃいました(*^^*)更新頑張って下さい!楽しみに待ってます(*´ω`*) (2017年5月22日 21時) (レス) id: 214e30e491 (このIDを非表示/違反報告)
香蓮(プロフ) - 三波葵さん» 有難う御座います。楽しみに待ってってください。うちの芥川は、原作よりちょびっと、丸くなっているので、そう思って頂けて嬉しいです。 (2017年5月20日 18時) (レス) id: 622d8c59e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:香蓮 | 作者ホームページ:http://霧屋蘭斗、霧屋2016
作成日時:2017年4月1日 1時