金塊探しの旅 〜参〜

19 ページ20

「こいつらを殺そう！」

「息子を殺した復習だ！」

コタンの女達が偽物のアイヌを殺そうと鎌を振りかざす

「や！やめてくれー！」

『やめろっ！』

サムルは偽物のアイヌの前に立つ

「何故！？こいつらは私の夫を殺した！」

「私は息子をっ！」

サムルは地面に正座をする

『大切な人を殺されてこいつらを殺したい気持ちはわかっている

だが、今ここでこいつらを殺してもなんの意味もない…
殺しても残るのは後悔だけ

こいつらにだって何か理由があったはずだ


それにお前達の綺麗な手を汚してほしくないんだ…
だから頼む、見逃してやってくれ』

サムルは頭を地面につけて、土下座をする

「「……」」

女達は黙ってサムルを見つめた

先ほどサムルと交戦していた偽物のアイヌ達は
涙を流してサムルの背中を見ていた

ア「サムル…」


「………わかった」

「だけど、二度とここに近づかないで」

コタンの女達は偽物のアイヌに言う

『…！

ありがとう！』ｷﾞｭｯ

サムルは女達を抱き締める、力一杯に

「ｸﾞｽｯ…」

「ﾋｯｸ……ｸﾞｽｯ」

「ｳｯ…ｳｯｳｯ……」

サムルに抱き締められて次々と泣き出す

杉「サムルさん、あんたって人は…」









偽物のアイヌをコタンから追い出したが
その帰り際にサムルが

『次ここに来たり、罪のない人を殺したりしたらどうなるかわかってるよなぁ？』ﾆｺｯ

黒い笑みで脅していた

全「(こ、こえーっ！！！！！

足洗って真面目に生きよう………)」

偽物のアイヌの全員が思ったのだった








杉元達はコタンの女達と本物のアイヌの男達の埋葬を行っていた

『皆よく我慢してくれた、さすがアイヌの女だな』ﾆｺｯ

太陽のような笑みを浮かべた

「「「「女神様だわ！！！」」」」

コタンの女達は手を合わせてサムルを拝む

杉「早速モテモテだねぇ〜」

『うるさいぞ杉元』

ア「この感じだと心配はいらないな」

牛「しかしまぁ、よくあんな奴等を助けたいと思ったな
サムルは少し変わっているな」

『両親との最後の約束を守っているだけだ、
それに人を助けたいと思うのは普通だ』

牛「サムルぐらいだよ はははっ！」

『やかましいっ』ﾊﾞｼｯ

牛「いた！？」

杉「ははっ！」

ア「サムル！チンポ先生は偉大なんだぞ！」

『そうなのか！すまない』

尾「全然偉大じゃねぇよ」

20→←※熊岸さんについて

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す