【1/朝の風景】 ページ4
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美味しそうにフライパンに並ぶ目玉焼きと、
あと少しで焼きあがりそうなパン。
毎日の朝食と北斗の弁当を作るのは優吾の役目。
忙しい毎日だけどこれだけは欠かしたことが無い。
「ぉはよーーー」
眠そうな声で階段を降りてきたのは四男の慎太郎だった。
まだボーっとしたような表情で、あくびしている。
「フライパンに目玉焼きあるよ。テキトーに食べて。
ってあと二人は？まだ寝てるの？」
「樹は昨日も遅くまで飲んでたらしーよ」
「樹はどうでもいいわ。」
そう言ったら、だよねって慎太郎は笑う。
「おれ、北斗見てこようか？」
「いい？今日ゆっくりしすぎて、もう出ないとだから」
「うい〜〜〜」
末っ子の北斗は生まれつき、心臓にかなり重い先天性の疾患があって。
何度も手術を繰り返してきた。
ここまで成長できたのが奇跡って医者に言われるくらい。
今も色んな制限があるし、体も弱い。
兄たちは常に北斗を気にかけているけど、優吾は特にだった。
最近は過保護すぎって北斗に鬱陶しがられるから、
今日も起こすのは年の近い慎太郎がベストだなと優吾は思う。
＿＿＿＿
慎太郎が北斗の部屋にそーっと入ると、ベッドの上に座る人影。
「あれ？北斗、起きてんじゃん。おはよ。」
「しんたろ…はよぉ。ねつ、ない。」
慎太郎のほうをゆっくり振り向いた北斗は、
テンション低めな小さな声で朝の挨拶と、
聞いてもないけど自ら体温の報告。
念のため北斗から体温計を取り上げて数字を確認。
「ん、よろしー。ご飯食べに行こ！」
相変わらず透き通るほどの白い肌だなと、
自分の弟ながら感心してしまう慎太郎。
朝は低血圧で貧血起こすことも多いから、
しっかり階段を降りるのを確認してやる。
「北斗おはよー。朝ごはんちゃんと食えよ。薬も忘れずにね。
ちょっと肌寒くなってきてるから、カーディガン着ていけば？」
起きて早々、北斗にあれこれ言ってる優吾。
北斗は、不機嫌に慎太郎のほうを無言で見て、
慎太郎は「付き合ってあげなよ」って顔してる。
「ゆーごー、時間だいじょうぶ？
もう行かないとじゃないの？」
北斗の一言にハッとして
「あっ！やっべ！行ってくる！
慎太郎、あとは頼む！北斗、今日も無理すんなよ！」
いってきまーすって急ぎ足で玄関を出る優吾を見て、
北斗が一言。
「いそがしいひと…」
「優吾は北斗が心配でしょうがないの。
兄であり、父でもあるんだから」
わかってるよ。
北斗は心の中で呟いた。
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KIKO(プロフ) - nkrysuさん» はじめまして。少し前に完結したものにこうしてコメントが来るのが嬉しいです🥺❤️続編も楽しんでいただけると嬉しいです❤️ (2021年10月28日 19時) (
レス) id: 16d48c36dd (このIDを非表示/違反報告)
nkrysu(プロフ) - はじめまして。うるうる涙を流しながら読んでしまいました（ ; ; ）（笑）続編も読ませていただきます！ (2021年10月28日 9時) (レス) @page42 id: 42b1441c9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：KIKO
| 作成日時：2020年10月16日 10時
