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第4話 王子達とご対面 ページ6

「……実は、王子達の家庭教師は皆すぐに辞めてしまうのですわ。
なんでなのか……不思議なのですけれど……」

え、それはつまり……

「失礼ですが、王子達に問題があるからでは……」

「兄さんもうちょっとオブラートに包んで」

殿下がショックを受けてしまったじゃないですか。

「そ、そんな
王子達はとてもいい子ですのよ
きっといい子過ぎて教えることが何もなかったのですわ……」

((親馬鹿ならぬ祖母馬鹿……))

ふむ……
どうやら王子達はそうとう厄介な人物らしい。
今もこうして王室教師が呼ばれているということは、つまりはそういうことなのだ。
決して『教えることが何もなかった』わけではないだろう。

(……ま、引き受けた以上は、職務をしっかりと全うするだけですけどね)

「こちらで王子達がお待ちですわ。
どうぞよろしくお願い致します、先生方」

私たちは王太妃殿下に一礼をして、部屋の中に踏み込んだ。

バタン

扉が閉められ、部屋の中は真っ暗になる。
兄さんが迷いなく歩き始めたので、私も隣を離れないように歩いた。
そして、(ひざまず)く。

幾ら暗くて余り見えないとはいえ、これだけ近くにいればわかる。
―――――目の前に王子達がいるのだ。

「「はじめまして(フロイトミッヒ)王子様」」

「私の名はハイネ・ヴィトゲンシュタイン」

「私の名はロッティ・ヴィトゲンシュタイン」

「「本日より我々が貴方がたの家庭教師です」」

バンッ!

急に窓が開け放たれて、眩しいからつい腕でガードした。

「「「Ich freue mich, Sie kennen zu lernen(はじめまして).Herr Heine(ハイネ先生),Frau Lottie(ロッティ先生).」」」

「「……ッ」」

溢れる高貴さ……清廉さ……
これが王子――……

すると、一人の美少年が目の前に来た。

なんて綺麗なんだろうか……。
まるで絵画から抜け出したような、正に完璧な王子様って感じ……

「心より歓迎します、先生方……









なんて、この僕が言うとでも思ったか」

前言撤回、完璧な王子様ではなかったか。
性格に難ありなのか……勿体無いなぁ。

――――――――――――――――――――――――――――――――
ここまで読んでくださりありがとうございます!
ドイツ語の名前の所、もし間違えてたらすみません。
これからも読んでくださると嬉しいです!

第5話 気位エベレスト王子とチャラ王子→←第3話 国王陛下の勅令状



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cocolove420(プロフ) - あの・・・名前変換にできませんか? (2017年6月15日 2時) (レス) id: 66c6f3f00c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:華憐 | 作成日時:2017年5月12日 3時

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