【王室教師ハイネ】二人の王室教師 1 (ページ36)

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第33話信じているのはページ36

「わあ～かわいい～！」

「うん、小さくても味が口いっぱいに広がって美味しいですわ」

「……美味しい……」

「おっなかなかイケるじゃん♪
俺の絶妙な味付けのおかげ！？」

「レオンハルトが鹿を獲ってきてくれたおかげだろ！」

「あてっ」

うんうん、皆が喜んでくれたようでよかった……！

「無事喜んで頂けてよかったですね、王子。どんなことであれ、頑張りは必ず報われるものですよ」

「なっ何が！？
―――――ッてゆーかッ僕は教師なんか歓迎してないからな！？すぐ出てけって気持ちは変わってないんだからな！？」

「素直じゃありませんね、レオンハルト王子」

「はいはい、わかりましたわかりました」

「本気の本気なんだからなー！！」

この後も賑やかでとても楽しかった。
……ずっと、こんな風に笑顔でいられたらいいな。

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夜も深くなった頃、明日の授業の準備が済んだ私は祈りを捧げていた。

「……主の御加護があらんことを」

……こうして祈ってはいるが、実は神なんて信じていない。私が信じているのは……

兄さんとシスター(・・・・)だけだ。

王子達のことは信頼したいと思っているけども、信用はまだ出来ない。

……私、酷いやつだな。

王子達は私と兄さんを歓迎してくれたのに。
それでもまだ、王子達のことが信用できないのか。
私は……

机の上に置いてある写真を見る。
少しシワのある女性――――シスターと、その後ろに隠れた幼い私、そして私が手を繋いでいるのは幼い私よりも少し背の高い兄さん。……兄さんの背は今とそんなに変わらないな。
そして汚い字で『再会の日に』と書かれてある。この写真を撮った時に私が書いたものだ。

「……おやすみ、兄さん、シスター」

昨日とは違って、落ち着いて一人でも眠ることができそうだ。多分きっと、王子達が『ここにいてもいい』と思ってくれたから。
……早く王子達の事も信じてあげられたらいいな。
そう思いながら、私は眠りについた。