続き ページ14
「身長5メートルの大男になりたい。」
「この世の誰よりも大金持ちになりたい。」
「世界征服をしたい。」
子供たちと違って、大人の願いははっきり言ってクソだった。それでも、俺は強い願いと意思があるとその願いを叶えなくてはならない。教授も何か訳があるのだろうか、叶えるなとは言わなかった。
「「世界で一番のお金持ちになりたい。」」
ここで問題が起こった。世界で一番お金を持っている人になりたいという人が、なんと二人現れたのだ。一番を二人同時に叶えることはできない。
em「ショッピ君。これってできますか？」
『ええ、たやすい御用ですよ。』
できるかできないかではない。命令には従わなければならない。
結論から言うと、世界はほぼ崩壊した。そりゃそうだろう。どんな願いも、叶えなきゃいけないのだから。
その癖責任転換で叩かれるのはもちろん開発者の教授だった。直接叶えているのは私なのに。まぁ機械に責任は押し付けられないのだろう。
ぐりゃに、ぐりゃり、ぐりゃり。世界がどんどん崩れていく。
em「ショッピ君。」
『なんでしょう。』
ある日、私は教授の部屋に呼び出された。
em「最後にショッピ君にお願いがあるんだ。誰も苦しまない、寧ろみんなが幸せになるようなお願い。聞いてくれるよね？」
嫌な予感しかしない。私はコクリと頷いた。もし機械に自我が生まれたとしても、プログラムに設計された命令に逆らうことはできない。
em「ねぇショッピ君。君のその手で
―僕を殺してはくれませんか？」
『なんで…』
em「ショッピ君、これは“命令”だ。自我を持つ持たないに限らず、機械はプログラムに基づいて行動しなければならない。分ったかい？」
私が生み出されたときから、いや、もっと前からか。私は願いを叶える機械。願いを叶える対象には勿論教授も含まれる。
私に、これを断ることは、できない。
『本当に…これでいいんですよね？』
そう言い、教授の首に触れる。体温がない機械にとって、その温もりは、とても辛かった。
苦しむ教授をこれ以上見ていたくなくて、グッと絞める強さを上げた。
em「それでは皆様、またいつか。」
此処からだったのだろうか。俺が人の願いを、欲を、もっと見たいと思ってしまったのは。
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奏(プロフ) - ネロさん» もう外したと思うんですけど…まだ外れてないですかね？ (2021年3月25日 15時) (
レス) id: 8c152a0395 (このIDを非表示/違反報告)
ネロ - 奏さん» 編集の所のオリフラ設定ってところです。 (2021年3月25日 9時) (レス) id: 60a73795c6 (このIDを非表示/違反報告)
奏(プロフ) - ぽんさん» すいませんフラグってどうやったら外せるんですか？ (2021年3月16日 14時) (レス) id: 0874638c33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏 | 作成日時：2021年3月15日 21時
