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「 …… 、 山田 」


「 知ってるよ 伊野尾くん 」



俺 の 横 を 通り過ぎた 山田 の 背中 を 、 ただ 黙って 見ていた 。


ごめん 、 山田 。



「 伊野ちゃん 、 ごめ …


「 ゆうと ! 謝っちゃ だーめ ! 」



ゆうと には 何の 罪 も 無いんだから 。


家 まで キス を 我慢 すれば 良かった だけだし 。



申し訳なさそう な 顔 を している ゆうと を そっと 抱きしめた 。



「 いーの 、 全部 俺 が 我慢 したら 良かった 話じゃん ? 」


「 そういう 話 じゃないんだけど … 」


「 …… へっ ? 」


「 特等席 、 じゃなかったね あそこ 。 」



あなた 大分 前 に 戻りますね 。


別 にそこ 重要視 してなかったけどね 。



「 そう ? 山田 しか 来なかったよ ? あそこ 」


「 だったら 場所 知られてるって わけじゃん 」


「 俺らの 後 付いてきてたんだろ 」


「 アイス 持ってたんだから 、 音 するくない ? 」



さすが 文系 だわ 。


理系 の 俺 に 持ってない の 持ってるわ 。



「 そうだね 。 」



折れる のが きっと 良いんだろうね 、 こういう 場合 。




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作者名:伊 野 尾 慧 | 作成日時:2016年2月15日 20時

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