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山田 side



「 裕翔君 … 」


「 大切 な 伊野ちゃん 傷つけられたらさ 、 俺 黙ってらんないよ ? 」



「 … 」



裕翔君 に 言われた 言葉 。


伊野尾くん の 手 を 引いて


遠くなる 裕翔君 の 背中 。



俺 は その場 に 、 ぺたん と


しゃがみ込んだ 。



6月 の 少し 肌寒い 風 が 、 俺 の 髪 を 撫でた 。




「 山田 ? そろそろ 授業 始まるんじゃないの ? 」


声 の した方 に 目 を 向けると


寝坊常習犯 で 生徒指導室 の 常連 の


有岡くん ( 通称 ・ 大ちゃん ) が 立っていた 。




有岡くん に 手 を 引かれ 、


教室 まで 歩く 。




見慣れた 教室 の 扉 が


大きい壁 の 様に 見えたのは 、 いつぶり だろう 。





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作者名:伊 野 尾 慧 | 作成日時:2015年12月19日 16時

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