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「 伊野尾くん 、 離れろよ 。 」
後ろから 山田 の 低い声 。
顔は酷く 怒っているよう 。
「 え ? 何で ? 」
「 いいから 離れろって … ! 」
どん って 押されて 、 尻餅 を ついた 。
「 いった … 、 ちょっと 何すんの 」
「 だから 裕翔くん から 離れろって言ってんだよ 」
「 命令 すんなよ 」
「 だったら 離れろよ ! 」
山田 の 手 が 、 上 に 上がって 、 殴られる と 覚悟を決めたとき
ゆうと の 手 が 伸びた 。
「 それ以上 すんな 。 」
「 え ? 」
「 … ゆうと … 、 」
俺 は ゆうと の 背後 に 隠れて
そっと 、 シャツ の 裾 を 握った 。
「 限度 ってやつ 、 知ろうよ 。
大切 な 伊野ちゃん 傷つけたらさ 、 俺 黙ってらんないよ ? 」
「 … ゆうと っ … 」
「 伊野ちゃん 行くよ 」
ゆうと に 腕 を 引かれて 、 俺 は 小走り で 山田 の もとを去った 。
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作者名：伊 野 尾 慧 | 作成日時：2015年12月19日 16時
