79話。貴方side ページ30
ブルーシートに横たわっているのは若い女性だった。
女性の顔は青白く、血の気が引いている。
胸部は変色した血で彩られていた。
もう、この人は起き上がることはない。
初めて日の光があたり、有り様がしっかりとわかる死体と対面した。情けないことに自分の血の気も引いているような気分だ。
江｢ご婦人か。｣
乱歩さんは先程までのビー玉を掲げていたときの表情とはうって変わり、悲痛な表情になった。
胸の前で握られた帽子は強く握ったためか少し形が歪んでいる。
｢今朝、川を流されているところを発見されました。｣
箕｢胸部を銃で三発。殺害現場も時刻も不明、弾丸すら発見できてない。｣
側にいた巡査も箕浦さんも痛ましげな顔で苦々しく告げる。
江｢犯人の目星は？｣
箕｢判らん。職場での様をみていた限りでは、特定の交際相手もいなかったようだ。｣
江｢それってさあ、なにも判ってないって言わない？｣
視界がぐらぐらする。
変色した他人の血の色。横たわってもう動くことのない女性。
弾丸に貫かれた胸部。
敦｢国枝さん、大丈夫ですか？顔色が...。｣
『ごめん、ちょっと。...ありがとうございます、中島さん。』
先程の襲撃で返り討ちになり、気を失って動かないポートマフィアたちを見たときはこうはならなかった。
あれはきっと、生きているとわかっていたから倒れた彼らを見ても何も思わなかったのだろう。それと、独歩兄さんたちの無事を確認することの方が最優先だったこともある。
しかし、彼女はもう死んでいる。
どうして彼女が殺されてしまったのだろう。
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空李(プロフ) - かなとさん» すみません、ご指摘ありがとうございます。 (2019年5月9日 18時) (
レス) id: 154a99d2ca (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい (2019年5月9日 18時) (レス) id: 483535372f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空李 | 作成日時：2019年5月9日 17時
