52話。中島side ページ3
国枝さんは僕なんかと違って凄い。
まさか国枝さんが異能力者だとは思わなかったけど、あの国木田さんがすぐに逃げろと警告するような相手に、怪我をしているというのに立ち向かっている。
僕にはそんなことは出来やしない。
でも、僕はみんなが頑張っているというのにただ此処で終わりを待つだけで良いのか。
でき損ないの虎になることしか出来ない僕が行ったところで何が出来るのだろうか。
『あ、』
敦「国枝さん!」
その暗い悪循環な思考は目の前の光景で打ち消された。
芥川の外套が再び国枝さんの体を貫いた。
どうしよう、僕が居たから。無関係の谷崎さんたちや、更に武装探偵社の社員でもない国枝さんまでもが巻き込まれてしまった。
芥「所詮、弱者にすぎぬか。」
血にまみれ倒れる彼女らを見て芥川はそう呟いた。
僕はそうは思えなかった。
怪我をしてもなお、芥川に立ち向かう彼女を弱者だとは思えなかった。
———貴様も今日から武装探偵社が一隅。社の看板を汚す真似はするな。
国木田さんの言葉が蘇る。
そうだ、入社した経緯はどうであれ僕は武装探偵の社員になったんだ。
生きて帰るんだ。谷崎さんたちも国枝さんも一緒に。
僕は拳を握ってある決心を思い起こした。
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空李(プロフ) - かなとさん» すみません、ご指摘ありがとうございます。 (2019年5月9日 18時) (レス) id: 154a99d2ca (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい (2019年5月9日 18時) (レス) id: 483535372f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空李 | 作成日時:2019年5月9日 17時