四十三 ページ43
九分四十秒後、俺達は同時に倉庫を出た。息をぜえぜえと荒くして呼吸を弾ませる。調べて見た所、巨大倉庫の持ち主であるユウという男は古風ながら巻き煙草を愛用しているようで奴が近付けばドカンという事になる。
俺達は森の茂みの中を通って全速力で倉庫から遠のいた。
「おい、ロバート。そんなに速く行くなよ。暗いから見失っちまう」
「ここは森だぜ? 酸素がこんなにあるんだ。爆発に巻き込まれっぞ」
ジェームズの声にはしっかりとした芯が入っていたが、もう若くない俺の声は途切れ途切れでしかもかすみまくっていた。だが、酸素というワードだけは強調した。ジェームズはなるほどな、と息を漏らすと足速になった。
しばらくすると、大音声と明かりが此方に届いた。響いた音が鼓膜を壊す程大きく、少しだけチビってしまった。ジェームズはうおっと少量だが驚きの声。
木が生えていない空き地をみつけ、そこに俺達は転がり込んだ。
「うぃー、もう俺達死ぬかと思ったぜ」
「俺もだ。ジェームズ」
安堵の溜息をつく。パチンとハイタッチをして肩の力を抜く。俺達は仰向けになって、マルカリアンを思わす程の星空を遠目で見た。すごい迫力だ。目を瞑っても明るい。
「命ギリギリだけどさ、スリリングで好きなんだよ。お前と仕事するの」
「まーじか。キャロルに怒られるの、俺だけじゃなくてお前もだな」
「それは勘弁してくれよ。キャロルさんの怒りに触れるなんて」
ジェームズはすがすがしい苦笑をした。俺は事前に渡されていた小型無線通信機でクラルドと連絡を取った。だが、「あの派手な爆発のおかげで、もう車をとばしているよ」と言われた。
敵にみつかってはいけないので、少し隠れて頂いたのだ。
「キャロルに仕事がした事がバレるといけないから、銀行振り込みだけは辞めて貰える?」
♥
お正月ボケがようやく冷めた今日は、ジェームズと接客した「若返った皮膚」を作ってほしいオリビア・グジーデナムズさんが来る。キャロルとミーティングをしてどういう内容かは伝えてあるが、キャロルはオリビアの強烈な人物にどういう反応を見せてくれるだろうか。楽しみだ。
午後一時に丁度チャイムがなって、俺は堂々と胸を張って対応しようとするキャロルに冷やかしの目線を浴びせていた。
「全く。マシな客じゃねえんだぜー?」
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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レイチェル・ハジェンズ(プロフ) - 椋香さん» 毎度、暖かい目でみて頂いて感謝しております。ロバート&キャロルシリーズは、キャラ設定の割にハードボイルドなお話なんですよね。かみ合わない所が俺的にはツボですが(苦笑) 椋香先生はこういう系が好みなのかな? また機会があれば楽しく書きたいです! (2015年6月7日 20時) (レス) id: e81dc0df4c (このIDを非表示/違反報告)
椋香(プロフ) - 読了しました〜。言われてしまうと、裏設定書き込んでほしくなります…。今回も楽しく読ませていただきました♪またこのジャンルにも挑戦してみてください!こんな未来にならないことを祈りつつ…。 (2015年6月7日 16時) (携帯から) (レス) id: 79a496978a (このIDを非表示/違反報告)
レイチェル・ハジェンズ(プロフ) - ふたまさん» 感想ありがとうごうごさいます(*´∀`) このお話は書き始める前から仕込んでいたネタだったので、そう言っていただけると嬉しいです。これからも頑張って書き続けます。ありがとうございました♪ヽ(´▽`)/ (2014年11月5日 22時) (レス) id: 5c4ab849ae (このIDを非表示/違反報告)
ふたま(プロフ) - イベント参加ありがとうございます!話が深くて超面白かったです…!書き方がお上手で憧れます(/∀\*)これからも頑張ってくださいね! (2014年11月5日 20時) (レス) id: fd0c711392 (このIDを非表示/違反報告)
ナンシー・ハジェンズ(プロフ) - 感想ありがとうございます!(*^^*) 改行は縦書きはなしで、横書きは幾つか入れた方がいいそうです。改行ない方が正しいと思っていて、この作品は入れなかったのですが、最近知って修正しました。描写についてはまだ改善案があると思うのでがんばります(><) (2014年7月24日 12時) (レス) id: 5c4ab849ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナンシー・ハジェンズ | 作者ホームページ:
作成日時:2013年9月14日 23時