拾われました。【 kne 】【 kzh 】 (ページ2)

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1話ページ2

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ざぁざぁと容赦なく降る雨。
暗く、目立たない路地の電柱に背中を預け、膝を抱えて蹲る。

「お姉さん、大丈夫ですか … ？」

「 …… なにしてんすか」

ふと、周囲の雨が止んだ。

なんだと思って顔を上にあげると、不思議な髪色をした男性が2人、立っていた。
1人は優しそうな雰囲気で、もう1人はキツそうな性格をしていそうな外見の。

見知らぬ人からのそんな問いには答えたくなかった。
聞こえなかったふりをして、また顔を下に向けた。

「すごい怪我じゃないですか … 」
「体も濡れてるし。」

「 … 」

『大丈夫です。放っておいて下さい。』

自分でも情けなくなるくらいに声が震えた。
それでも突き放すような言い方をしたのにも関わらず、二人は動こうとしなかった。
それが不思議で仕方なくて、訳が分からなかった。
見ず知らずの人なんて無視していけばいいのに。

「おねーさん、立てそう？」
「立てそうなら僕の家においで。手当してあげるから。」

『 … 大丈夫です。お気になさらず。』

「もー、大丈夫って言える感じじゃないじゃん。」
「ほら、立ってください？」

見た目からは考えられないような強い力で引っ張られる。
ふらりとよろけそうになって、力を入れてなんとか倒れずに済んだ。

「 …… 」

黒い服を着た方の男性が、無言で自分が持っていた傘を差し出して来た。
雨の日で、かつ周りは暗かったからその表情は分からなかった。

『大丈夫、ですよ。』

「 … 」

『 … お兄さん、濡れちゃいますよ。』

「いいから。」

『 …… ありがとう、ございます。』

そうして二人に半ば無理矢理といった形で連れられて行った。

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