拾われました。【 kne 】【 kzh 】 (ページ3)

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2話ページ3

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「くずはー、お風呂沸かしといて。」
「僕はお姉さんの手当するから。」

「ん。」

『 … 』

本当に、家まで来てしまった。

初対面の男の人の家に上がるなんて自分でもどうかしてると思う。
でもなんだか、この人なら、大丈夫な気がした。
… 理由は自分でも、よく分からないけど。

「よし！じゃあお姉さん、こっち来れます？」

『 … はい、… 』

家まで来てしまった以上、もう抵抗は無駄だろう。
大人しく彼の指示に従った。

「うわぁ、酷い怪我 …… 」
「何したらこんな傷がつくんですか」

『 … 』

「言いたくない感じ？」

『 … はい、すみません。』

「いやいや、僕の方こそ何も知らないのに聞いちゃってすみません。」
「 … 綺麗なお肌してるんだから、大事にしないと。」

それから彼は、私の事を気遣ってか、YesかNoで答えられるような
他愛もない質問をしてきた。
その問いに、首を横や縦に振ってたまに声に出して答えた。
初めて会ったのに彼は酷く優しい態度で接してくれた。
久しぶりに触れた優しさに、涙が出そうだった。

「 … どうぞ。」

『 …… え。』

「え、ちょっとぉ、僕の分は？」

「無い」

「ねぇ。欲しいって言ってるんだけどー？」

「やだ、めんどくせーし。」
「 … あの、… 早く、受け取って … 」

『 … あ …… すみま、せん … 』

不意に、銀髪のお兄さんが可愛いコップに入ったココアを差し出してくれた。
それに対して茶髪のお兄さんが軽口を叩く。

「んー、よし！終わったよー、ごめんね痛くなかった？」

『ぁ、大丈夫です … ありがとうございました。』

「なら良かった！ …… ところでお姉さん、」
「あんなところでずぶ濡れになって、何してたんですか？」

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