【銀/魂】戦場を嫌う黒い鬼 弐【坂/田/銀/時】

チョコレートが九十個※ ページ47

※戦闘描写注意

「っ……」


刃先が頬を掠る。なんとかギリギリのところで避けることは出来たが、男の目がギラギラと燃えていることに変わりはない。

さて、どうしたものかと頭の中は妙に冷静になっていく。

この男は私のことを誰かと勘違いして、私のことを恐れている。ならそのことは否定せずに恐れ続けてもらおう。


「ちょこまかと動きやがって……！ こんのクソガキがッ！！」


男は躊躇なく刀を振るう。今のところ避けられているが、右足に多大な負荷をかけていることに変わりはない。

男の見境ない攻撃を避け続けているとき、足が木の根に引っかかり後ろに倒れ込んでしまった。


「おらぁぁああ！！！」


男の力強い声とともに振り下ろされる刀。もちろん、このまま切り殺されるわけにもいかず、錫杖を両手で持ち刀とクロスさせることで、相手の攻撃を受け止める。


「ぐっ……！」

「クソガキがァ〜〜ッ！！」


子供と大人。
力量は火を見るよりも明らかだ。

それでも、今ここで殺されるわけにはいかない。トシにも兄さんにも謝れていないのだ。

勝手にどっか行ってごめんなさい。

トシとの約束を破ってごめんなさい。

あぁ、トシが寝ている隙に私が消えたから、トシは兄さんに怒られてしまったのだろうか。

それとも、2人とも必死に私を探してくれているのだろうか。

そんなことばかりが頭に浮かんでくる。今にも腕が折れてしまいそうだが、そんなことは言っていられない。


「必ず……生きて帰るんだッ！！」


持てる力全てを錫杖へ伝え、男の刀を弾き返した。

男がよろめいた隙をつき、刀を持っている右腕を目掛けて錫杖を振り下ろす。


「ぐあッ……！」


カランと男の手から刀が滑り落ちる。男は急いで拾おうとしたが、私の方が速かったらしい。

地面へと落ちた刀を左足で思いきり蹴飛ばされた刀は坂道の方へと転がっていった。


「クッソ！ なんで子供相手にここまでされなきゃならねェんだ！ あの男は何者だっていうんだッ！？」

「がはッ」


フーフーと荒い息をたてる男から飛んできた拳に対応出来ず、左頬に強い衝撃が入りそのまま吹き飛ばされる。


「けほっ……」


喉の奥が気持ち悪い。
口の中が血の味がする。

吹き飛ばされたときに離してしまった錫杖を取ろうと、うつ伏せのまま数センチ先に手を伸ばすが、取ることは叶わなかった。


「ぐっ、がァ……」


男が馬乗りになり、私の首を締めてきたためだった。

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ラッキーカラー

あずきいろ

ラッキー食べ物……かもしれない！

誰かのもんじゃ

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