【銀/魂】戦場を嫌う黒い鬼 弐【坂/田/銀/時】

チョコレートが六十五個 ページ22

ポタッ…ポタッ…と左手から紅い水が流れ落ちる。刀を強く握ったせいで、手のひらが切れたらしい。


「ハァ……興ざめだ。さすがに女を斬り殺す趣味も持ち合わせてねェしな」


彼はそう言いながら刀をしまおうとする。しかし──


「……離せよ」


私が握っているせいで強く動かせないままでいた。無理矢理動かせば、私の指の何本かがお陀仏すると分かっているからだろう。

……そんなことなら、最初から首を刺さないで頂きたいのだが。


再び山崎の方をチラリと見れば、信じられないものを見るような目が物語っていた。彼とは知り合いなのか、と。


一度大きく息を吸ってから、ゆっくりと吐く。


山崎に上に報告される覚悟で彼に問うた。


「素鼠百鬼(すねずみひゃっき)は10年前に解散したはずでしょ……？ なのに最近になって再び活動が目撃されてる。……何をしようとしているの？」


最後の方で声が震えてしまったのは、呆れからなのか怒りからなのか……はたまた、不安からなのか。

彼の顔からは笑みが消え、真っ直ぐな瞳を此方に向けていた。まるでそれ以上、余計な詮索はするなと訴えているように。


私は昔からコイツらの目に弱い。銀時や彼のこの目に。彼らの目はあまりにも真っ直ぐで、とても悲しい目をしているから……。


彼にそんな瞳で見つめられ、思わず刀から手を離す。

しまった、と思ったときは時すでに遅し。彼は既に刀を鞘に収め終わったところだった。その間、彼は一度もコチラを見なかった。

踵を返して船へと戻ろうとする彼に向かって、私は咄嗟に大声で叫んだ。

彼にはまだ聞きたいことが……！！


「待って！！ ……船(その)中に…あいつはっ……高杉はいるの！？」


彼は少し驚いた表情を浮かべたが、すぐにいつもの薄っぺらい笑みを浮かべてから──


「さぁな」


と大きな船へと消えていった。

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あずきいろ

ラッキー食べ物……かもしれない！

誰かのもんじゃ

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