赤緑短編集

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ちゅっ.....ちゅっ.....

またひとつ、またひとつとキスを落とす。

合間に神ちゃんを盗み見ると、目を閉じてトロンとした顔しとる。

気持ちええ...？
俺のキスは気持ちええの？



..............人は、手に入れたと思った瞬間から今度は失う時のことを考え始めるんやな。



『んぁ.....しげ.....？』



急にキスをやめた俺の顔を神ちゃんが不安そうに見てくる。



.....ダメや

なんで何？ こんなにも神ちゃんが愛しいのに。
こんなにも優しくしたいって思ってるのに。



頭とは裏腹に、心と体は神ちゃんを..........





『.....しげ？..........やっぱり、酷くしてもええ、よ.....？』



え.....
俺の心が読めるみたいに神ちゃんが言った。


『酷くされても.....嫌いにならへんよ？.....だから、ええよ？』



神ちゃん.....



『ごめん.....』



俺は神ちゃんをソファに押し付けて再び唇を貪った。



『あっ、ゃぁ..........んっ、、、』



息をするのも忘れるぐらいのキス。

それは苦しくて苦しくて、お互いがどんどん追い詰められていくような、行き場のない狂おしいキス。




人を好きになるってこんなにも苦しいもんなんやな




神ちゃんを自分だけのものにしたい。
いっそドラマの話なんて蹴って欲しい.....
せやけどそれは絶対に無理なことなんや...





なぁ、俺はこんなに欲深い男やったんやな





こんな俺やのに、背中に腕を回して必死に俺にしがみつく神ちゃん...






『愛してるで.....』







愛しさと狂気の満ちた部屋に、俺の言葉がぽつりと響く。

熱い体とは裏腹に、どうしたらこの子を一生縛り付けておくことが出来るんやろ.....と冷静に考える自分がいた。







end




もし神ちゃんのキスシーンがあっても、しげも私と同じように辛いんだ...って思うことにして乗り切ろうと思います...............

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