赤緑短編集

どうして ページ19

(｀-´)ボーイズバーで働く店員
(б∀б) エリート会社員
(^ヮ^=)淳太の後輩


side黄

今日は会社の飲み会で、一次会から上司がえらい上機嫌やった。

二次会もお開きになってほとんどが終電で帰っていったけど、俺が一番世話になっとる上司やし帰るわけにも行かず...今こうして三次会にも残っとるってわけや。



二次会の店を出た俺は、ここは盛り上げなあかん、と三次会の店を焦ってネットで探しとった。その時、


『はーい‼ 俺メチャメチャ面白い店知っとるんですけど、行きまへんかー⁉』


何人か残っていたメンバーの中、後輩のしげがアホみたいなでかい声でそう言った。








...ほんで連れてこられたのがこのボーイズバー。


上司も俺もどうせこいつのお気に入りがいるキャバクラにでも連れて行く気なんやろと思っとったけど...

ボーイズバーて.....

『女が行くところちゃうん？』

店の前で俺が言うと

『今は男同士で行くのが流行ってるんスよ〜‼ 可愛い女の子がお客さんでおるし、男の店員さんも話オモロイんでキャバより気楽でいいんスよ‼』

しげが自信たっぷりにそう言うもんやからだいぶ酒の回っとる上司達も、面白そうやなー！なんて言うてわらわらと入ることになった。




初めて入るその空間はカウンターメインの縦長の作りで、カウンターには見たところ綺麗どころからお笑い系の男性店員、そんで奥の席にはしげの言う通り華やかな女性グループが何組かいた。

行ったことはないけどホストクラブよりももっと気楽にこれる雰囲気なんやな...

しばらくキョロキョロと観察していると俺の隣に座ったしげがまたでかい声で

『どうっすか？！なんか雰囲気良くないっすか！？』と絡んでくる。

『おん...まぁな。いろんなカクテルとか置いとるし、隣で接客されるキャバクラよりは俺は居心地えわ...。なんや店員さんもカウンターからは出てこおへんのやな。』

『そうなんすよ〜‼ キャバクラだと可愛い子いても指名しないとすぐどっか行っちゃうし、ここなら店員さんと仲ようなると可愛いお客さんとうまいことつなげてくれるんすよ！！』

なんや、結局それ目的なんかい.....

しげは俺に話しながら目線は俺の向こうの女性グループを見ていた。

ふーん、お客さんも派手な身なりからすると夜の仕事の人が多いんやな。
カウンターやからあちこちに気使わんでいいわ...そんなことを思いながら頼んだカクテルに口をつけようとすると.....



『あの..........』

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