彼氏日記【夜久衛輔】 (ページ1)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:1,111 hit

彼氏日記ページ1

.

『うわ、懐かしい…』

引越しするために押し入れを整理していたら出てきたノート。

表紙には丸っこい字で大きく

【日記】

と書いてある。

少しめくってみる。

表紙の字体と同じ文字がつらつらと書き並べられていた。

『想い出がいっぱいだな…』

「おーい。何してんだ？」

『あっ、衛輔くん。準備終わったの？』

「あー大体な。それよりA、懐かしいノート見てるな。すげぇボロボロだ」

笑いながら衛輔くんが言う。

『ほんとに…。これは1冊目…かな？もう6年も前のだよ』

「２０１１…。本当だ。俺たちが付き合い始めた年だな。もう6年もお前といるのか…」

長いようで短かったこの6年間。

この日記は私と衛輔くんの6年間を全て知っている。

何冊にも及ぶこの日記。

「それは持っていくのか？」

『んー。どうしようかな。色々想い出が詰まってるし…、中身を見てから決めようかな』

「そうだな。俺にも見せてよ」

『うん！少し恥ずかしいけど…。一緒に見よう』

そう言って私は6年前に書き始めた

【日記】

をそっと開いた。