貴方と同じ、普通に生まれたかった2 【北信介】【呪術廻戦】 (ページ19)

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間も無くして、彼は隣に金髪を連れてやってきた。

『…』

「虹…。」

やめて。見ないで。

赤い髪を見ないで。私の名前を呼ばないで。

彼の目が見れない。顔を上げたくない。

「すまん。少し二人にしてくれるか。」

信ちゃんがそう言うと、彼ら3人は歩いてその場からいなくなってしまった。

「また、会えたな。嬉しい。」

『…っ！』

そんな、優しいこと、言わないで。

私があなたにそんなことをいられる資格はないのに。

「ちゃんと飯、食ってたか？」

あなたは、本当に、どうしてそんなにも優しいの。

『う、ん。』

「ほうか。よかった。」

その言葉を言われると共に、私の視界はじんわりと曇った。

『…っご、ごめんっ信ちゃ…っ！』

「…！何で泣くん。謝んなくてええよ。またこうして会えたんや。俺はそれだけで嬉しいで。」

『…っうっううっ…』

彼の胸に縋り付いてしまった。

「やけど…もう勘弁やな。いきなりいなくなるのは、もう嫌や。なあ、お願いや。」

彼に抱きしめられる。

そして私は、少しずつ、彼に本当のことを話した。

私は本当に任務などなく、ただ上司に振り回され、あなたに会い行かされたこと。

「ほうか。でも、結果オーライやな。」

彼のその笑顔はとても綺麗で、泣きそうになった。

私はもう、彼のそばを離れたくないと、離れないと、初めてこの時思った。

これからどんなことがあろうとも。