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縁側から外に出て、暫く歩いてお婆ちゃんの畑に着いた。
トマトと胡瓜、茄子、南瓜、西瓜。
新鮮な野菜を毎日食べられているのは、お婆ちゃんの真心あってこそだ。
みなと兄は胡瓜を２本もぎ取ると、一本を私に差しだす。
「ん」
「ありがとう……」
胡瓜の新鮮さを見極めるコツは、白い物々があるかどうか。
白い物々がないと古いということになる。
「お前、覚えてるか。中３の時に夏祭り行った時のこと」
「……覚えてないです」
私は中学３年生の時に友達に誘われて、駅でやってる祭に行った。
大きくてとても明るい祭。沢山の人がいて、歩くのに困った。
でも、遊んだ記憶がないのだ。
「六花、そこでお酒飲んだんだぜ」
「……うそ」
「帰って来たお前さ、顔真っ赤でへろへろだったぜ。浴衣着たまま玄関でゴロ寝するし。丁度ババアは朝市の準備で家にいなかったけど、お前、
何で俺達が親戚同士なんだろうって泣いてた」
みなと兄の顔が険しいあまりに、呼吸が止まってしまう。
私は過去に一度、全ての想いをみなと兄にぶつけていたんだ。
あまりにも血縁関係が近いのでカップルになれないこと、いくら思い続けても何も叶わないこと、思い続けるのが駄目だということ。
小さい頃からみなと兄が好き過ぎたこと。
１年前にぶつけていたんだ。
「それで、キスしたこと覚えてんの？」
「えっ」
え、なんて文字で表せるほど綺麗な言葉じゃなかったかもしれない。
胸が締め付けられて飛び出た音だった。
真っ赤な浴衣に、人生始めてといっても良い化粧。
不自然な色をした口紅はとれることなく、次の日も汚く残っていた。
「覚えてない……けど、したと思う。
私、みなと兄のことが好き」
みなと兄はキツく目を細め、胡瓜を片手に腕を組んで真っ直ぐに私の前に立った。
胸を張りどっしりとした構えは高校生とは思えぬ貫禄がある。
「六花。俺も六花のことが好きだ。この気持ちに嘘はない。
俺達は同じだ。この感情を持っちゃいけないって思ってる。
周りにも気付かれたらいけないし、本人に気付かれるなんて御法度だ」
「――うん」
「俺はまだ一緒に六花といたい。この関係以上になることも、以下になることもない。
この関係を続けるのがベストなんじゃないか」
選択肢がそれしかないことは重々承知だ。
コクリ、と頷くことしか出来なかった。
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夏ミルク(プロフ) - 夏ミルクです。http://uranai.nosv.org/img/user/data/b/2/7/b2771ea544ee8ee95dc498968c3fc410.jpg←画像。みなとさんちょっと可愛くなりすぎましたかね？？あぁみなとさんかっこいいよぉ！って描いてたらこうなりました！ｗｗリクエストありがとうございました！ (2016年4月12日 19時) (
レス) id: cd92f3c289 (このIDを非表示/違反報告)
レイチェル・ハジェンズ(プロフ) - 詩桜さん» 返信遅れてすみません。読んでいただいてありがとうございます♪ 文についてもお話についても誉めていただいて感謝です。ありがとうございました(*^^*) (2016年2月15日 18時) (レス) id: 665ef5492b (このIDを非表示/違反報告)
詩桜 - 読ませていただきました！文才があってとてもうらやましい限りです(笑)イベントにも参加してくださって、ありがとうございました！！話にブレが無く、現実離れしているところも無くて、とても読みやすかったです！！これからもがんばってください！！応援してます！ (2016年2月15日 17時) (レス) id: d76ccfa709 (このIDを非表示/違反報告)
レイチェル・ハジェンズ(プロフ) - 夜鬼 神羅さん» 初めまして(o^O^o) 楽しんで読んでいただけて、レイチェルも嬉しいです！みなとと六花は善きヒロインと主人公だったのではないかと。お読みいただき、ありがとうございました♪ (2015年10月23日 21時) (レス) id: 6298628eb9 (このIDを非表示/違反報告)
夜鬼 神羅(プロフ) - キャラクターの個性がハッキリしていて、性格なども安定していたのでとても読みやすく、みなとと六花の心情もよく現れていて、とてもいい作品だと思います！読ませて下さって、ありがとうございました！！！楽しかったです！！ (2015年10月23日 18時) (レス) id: 8b627dd71d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイチェル・ハジェンズ | 作者ホームページ：https://twitter.com/seshiru777777
作成日時：2015年8月8日 21時
