また明日。《6》

♯264 陸 ページ14

【陸side】

どんな思いで聞いてるんだろ？ずっと下を向いてて、時々顔を上げて目が合うんだけど、すぐに逸らされてしまう


陸「忘れられない人はいないよ。本当にこれは絶対に勘違いしないで欲しい。本当にいないから。でも、前の恋愛をまだ引きずってて」

そう言うと、顔を上げて不思議そうな顔をして俺を見た

“何言ってんだコイツ？”って言いたげな顔をしてる


陸「前の恋を引きずってるって聞いたら、元カノを忘れられないって思われるのも分かるんだけど、そうじゃなくて。トラウマになってて。傷付け合うだけの恋愛になったらどうしよって思ったら、踏み出せなくて。Aの事、本気だから。本当に好きだから、絶対に傷付けたくなくて。でも、結局傷つけちゃったよね、ごめん｣


A「私だって、トラウマになってるよ尊人さんとの事。でも、私は陸くんの事好きになったし、それは、陸くんが陸くんだったからで……何が言いたいか分かんなくなって来たけど、とにかく、陸くんだから好きになれたんだと思う……私は陸くんにとってそういう存在にはなれないのかな？」


彼女の方が俺よりもずっとずっと辛い恋愛をしたはず

そんな彼女が好きになってくれて、俺も彼女が好きなのに、なんで逃げる必要がある？
前の恋愛で失敗したなら、同じ失敗をしないようにすればいい

彼女と元カノは違う
そんな簡単な事なのに
難しく考えすぎてたのかな


A「私も本当はまだ怖いよ……尊人さんの事信じてたし、信じてた人に裏切られる辛さも嫌ってほど味わったし………でも………トラウマって人には分からないもんね」

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