真面目ちゃん【wrwrd】 (ページ3)

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「はえ〜、Aさんのこと知れて嬉しいわ、で、それが本性なん？」

『本性って何、別に、』

隠してたわけじゃないけど、と言いかけたけど言えなかった。

それは事実すぎるものだったから。

彼女は彼の満足そうな、憎らしいニマ、とした笑顔がムカツイた。

まるで「どう料理してやろうか」と言われてるようにも感じる笑顔であった。

「もしかして、これもAさん？」

『…』

彼はポケットからスマホを取り出した後、SNSのとある投稿を映した。

そこには完璧に化粧した彼女と、彼女のネットで知り合った女性が写されている。

「トー横の姫がグリ下居たんだけど笑笑👀💕」と書かれた投稿は、彼女の非行を全て表しているようにも感じた。

「ちょっと加工されとるけどさっき顔見えましたがこれAさんやんな、ほくろとかもこんなとこついとったやん」

ほら、と言い唇の斜め下に付いている黒子を撫でた彼が憎かった。

彼女はその手を払い、彼の顔を睨んだ。

『で、何が目的なわけ？私の非行を教師に言うつもり？生徒に流すつもり？よかったね、“クラスで浮いてる学級委員サマ”の弱みが握れて。面白いもの見れんじゃない？』

「別に俺はそんなダルいことせえへんよ、するんやったらあんたの前でこれ吸わへんわ」

短くなったそれを彼はコンクリートに落とし、上履きでぐりぐりと踏みつけた。

灰色の地面に焼け付いたタバコの炭が広がり、黒色を付け足していく。

「俺は、あんたと仲良くなりたいわ、放課後デートせん？」

そう言った彼を、断ってはいけないと本能的に彼女は感じ取った。

ああは言ったけど断ったらバラされるかも知れない。

“あっち”での二の舞いになっちゃダメだ。

『…いいよ、行こっか、紫咲くん』

「あぁ、ショッピでええよ、Aさん」

…嫌な予感はする、けどこうするしかない。

そう思い、彼女は彼に背を向け、屋上から去っていった。

残された屋上で彼は笑った。

匂い、落ちてへんねんなあ、Aさん。

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