【HQ】こもりくんとこほりちゃん【井闥山】 (ページ7)

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＊episode5＿出会い＆馴れ初めページ7

初めて会ったのは廊下。

あのときも、二人で返事をして顔を見合わせた。

女子の中でも小柄に入る彼女は、
目をこれでもかというくらい眼鏡の奥で丸くさせていた。

しばらく、見つめあう俺たち。

「こー“ほり”、何してるん？」

「ひょえっ」

あのときはほりちゃんが呼ばれていた。

聞き間違えて返事したのは俺なのに、
彼女の「ひょえっ」に吹き出した俺に、ほりちゃんは顔を赤くした。

「あ、」と思ったときには遅く、
ぷるぷると(心なしか涙目だった気がする)震え、
彼女は友達の制止もふりきって走り去ってしまった。

「あちゃー......」

額に手をあてながら、申し訳ないことしたなあとそのときは思った。

.

.

次に会ったのは、部活。
そして、初めて話したときでもあった。

ちらちらとドアの方を落ち着きなく見る先輩たちに、
不思議に思った俺は「どうしたんすか？」と声をかけた。

「あ、古森。お前、佐久早と仲良いよな」

「え、まあ(良いかどうか怪しいけど)......」

「じゃあ、あの子知ってるか？」

そのとき、俺は佐久早と他よりはよく話すくらいの仲(まあ、他に比べたら仲良い方だろう)だった。

だから、あの子と言われてもピンと来なかったが、
佐久早の背後に近づき、覗き見たときに“あの子”の姿に驚いた。

「あ、あのときの」

「はひ？！」

「はひ？！」にまたツボり、笑った瞬間、佐久早に叩かれた。

痛いなと文句を言おうとしたが、
また涙目で顔を赤くさせる彼女を見て、デジャブを感じた。

「ごめんなさいっ」

「ひっ、いいえ！はい！」

どっち......？と思ったが、
怖がるように佐久早の後ろに隠れてしまった彼女に、
聞けるわけもなく、ペコペコと頭をさげまくった。