33、手作り生姜焼き2 ページ35
「よいしょっと」
ヴァンパイア界に足を踏み入れる。
右手にしっかり生姜を持った。
そこには、伊地知さんが立っていた。
「おかえりなさい、…大丈夫でしたか?」
心配そうに聞く伊地知さんを安心させるようにAは優しく笑った。
『大丈夫でした。伊地知さん、寮に玉ねぎってありますか?」
「玉ねぎ…ですか?」
伊地知さんは初めて聞く単語のようにたどたどしく言った。
不思議そうに眉を寄せ、こっちを見る。
え?もしかしてこの世界に玉ねぎはない⁇
どうしよ、と少し焦ってると伊地知さんは「あぁ」と一人で納得したかのような声を出して合点した。
「玉ねぎというものはありませんが似たようなものなら…ノイオンという野菜があった筈ですよ。」
ノイオン…、初めて聞く単語だがAはお願いしますと伊地知さんに頼み込み、ノイオンを貰った。
ノイオンーそれは形はもう玉ねぎそのものだが、皮の色が茶色ではなくアボガドのような黒っぽい皮をした野菜だった。
ヴァンパイアはこんな野菜も食べるんだな、と新たな発見をして調理に取り掛かる。
しばらく生姜焼きは作ってなかったものの、お母さんに教えてもらった隠し味、コツ、全てはっきり覚えていたAは問題なくちゃちゃっと作った。
玉ねぎに似ている野菜とはいえ、ノイオンには驚きもあった。
玉ねぎは手で皮がむけるのだが、ノイオンはそうはいかなかった。
硬い。
とにかく皮が硬かった。
包丁を丁寧に入れ、ゆっくり慎重に皮を取る。
『くっ…!』
力を入れ、皮を取った。
そんなハプニングはあったものの、皮を剥いたのならばあとはもう玉ねぎそのもので、支障なく炒める。
やがて、Aの部屋の中に良い香りが広がった。
『恵くんにあげようかな』
完成した生姜焼きを見つめながら呟いた。
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金糖の少女#全糖ではございません - 生姜を吸っている 生姜を吸っている…?? ?????? あ、なんか簡易無量空処くらった。生姜を吸っているがツボにはいっていまだに抜け出せません。 (12月9日 9時) (レス) id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
じゅりちい(プロフ) - ぎゃああ、本当だ❗️教えていただきありがとうございます‼︎今すぐ直しますね😅 (2022年4月13日 21時) (レス) id: 8d69ebf236 (このIDを非表示/違反報告)
アキネコ_♯あおはる(プロフ) - 乙骨くんの“ゆうた”漢字だと、“優太”コレじゃなく、“憂太”ですよ (2022年4月13日 20時) (レス) @page19 id: 1ef8943118 (このIDを非表示/違反報告)
じゅりちい(プロフ) - 教えていただきありがとうございます😃オリフラ直しました❗️ (2022年4月6日 12時) (レス) id: 8d69ebf236 (このIDを非表示/違反報告)
パイナップルの妖精 - この発想はなかった..!!後オリフラついてますよ。 (2022年4月5日 20時) (レス) @page7 id: deef3a892d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:じゅりちい | 作成日時:2022年4月4日 20時