死の気配 ページ10
──……ピ、ピ──ピ、ピピピピ……
「う、ぅ……」
目覚ましのアラームで意識が浮上した。
あの後ずっと泣いていたのか、瞼が
どういうわけだか顔の下敷きになっていた手を顔面に這わせると、涙がべたべたと指先に触れる。
肌もひきつったように痛い。
指を使って無理やり瞼をこじ開けると、ぼんやりした世界が広がっている。いつもと変わらない、私の部屋のはずなのに──
違和感
何かが違う。
そう直感し、辺りを見回す。部屋が荒らされたわけじゃない、けど──確かに何かが変わっている。
『────』
瞬間、耳障りな声に、肩が跳ねた。
聞こえてきた方を見ると、僅かに隙間ができたカーテンの向こう、異形の存在が私の部屋を覗いている。
「ひっ……」
思わず、悲鳴が漏れた。
小さな頃に似たようなものを何度も見たことがある。
それは、普通の人間には見えないものだ。お守りをもらってからはもう何年も見ていなかったのに、どうして今更。
「──あっち行け!!」
頭の中が真っ白になって、手元の枕を思い切り投げつける。それは私を嘲笑うようにするりと姿を消す。
「何が起こってんのよ……」
「A、遅刻するよ」
一人呟くと、階下から祖母の声が聞こえてきた。
学校に行く気になんて、なれない。
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ゆず(プロフ) - 初めまして宿儺様沼にハマり、作者様の作品に辿り着きました。とても面白いですし、宿儺様との展開が楽しみです!更新大変でしょうが応援しております!! (2021年4月26日 18時) (レス) id: 9087c45e44 (このIDを非表示/違反報告)
星空の砂時計 - とても面白いですね♪ 作者さんのペースで更新を頑張ってくださいね! 私も呪術廻戦にハマり、作品を書いている者なので機会があれば何処かでお会いしましょう! *´▽`* (2021年4月18日 14時) (レス) id: a21ef6301e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さっく。 | 作成日時:2021年3月26日 8時