優しい手 ページ42
呪霊が塵になって消える。
祓えた、の──？
足の力が抜けたのか、一、二歩後方にふらつく。そのまま地面に座り込みそうになって、頭の隅に押しやられてた虎杖くんの存在を慌てて思い出す。
「虎杖くんっ！」
「大丈夫。俺、丈夫だから」
そうは言っても、虎杖くんがぶつかったんだろう壁にはヒビが入っている。
私が一回で仕留められなかったから。呪力を上手く武器に込められなかったから──。
顔面が熱くなる。
悔しさで涙が溢れそうだ。
「ごめん……。本当に、ごめんね……」
俯いたら、涙が地面に落ちてしまう。
私は誰かを守りたくて呪術師になりたいと願ったのに。虎杖くんに助けられた挙句、怪我までさせて……。
「大丈夫。俺もゴメンな、驚かせたよな……？」
こんな時まで私の心配をする虎杖くんに涙が止まらなくなる。首を何度か横に振って、違う。違う……と繰り返す私の頭を、
『よくやった』
誰かが二度、三度と軽く撫でる。
ぽすぽすと不器用な感触が懐かしさを呼び起こす。
『えへへっ。こはるはもっと宿儺さまのお役に立てるよう頑張ります！』
それは、『彼女』が幼い頃から何度も口にした言葉だったのかもしれない。褒められる度にもっともっと、と強請る仔犬のように。
気付けば、涙も引っ込んでいた。
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ゆず(プロフ) - 初めまして宿儺様沼にハマり、作者様の作品に辿り着きました。とても面白いですし、宿儺様との展開が楽しみです！更新大変でしょうが応援しております！！ (2021年4月26日 18時) (
レス) id: 9087c45e44 (このIDを非表示/違反報告)
星空の砂時計 - とても面白いですね♪ 作者さんのペースで更新を頑張ってくださいね！ 私も呪術廻戦にハマり、作品を書いている者なので機会があれば何処かでお会いしましょう！ *´▽`* (2021年4月18日 14時) (レス) id: a21ef6301e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さっく。 | 作成日時：2021年3月26日 8時
